研究課題/領域番号 |
15580067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田口 速男 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90188136)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 乳酸脱水素酵素 / ギ酸脱水素酵素 / 2-ヒドロキシ酸 / 基質特異性 / 基質認識 / 乳酸菌 / アロステリック / 触媒 / Lactobacillus / アロステリック酵素 / タンパク質工学 |
研究概要 |
L. pentosusのD-LDHにおいて、Tyr52をLeu、Val、Alaへ置換した結果、酵素の脂肪性、あるいは芳香性2-ケト酸に対する特異性は、その大きさにしたがって変化した。この結果は、52位の疎水性側鎖の大きさや形状が、疎水性基質側鎖の結合部位の空間を決めていることを示している。また、Tyr52のArg、Asp、Thrへの置換、あるいはPhc299のGly、Serへの置換の結果、いずれも測定した全ての2-ケト酸に対して活性の大幅な低下と、さらに基質に依存しないNADHの酸化触媒活性が誘導された。しかしながら、これらの二重変異を導入した場合は、加算的な触媒機能の低下を起こさず、ある基質に対しては活性を回復させ、基質非依存的なNADHの酸化も消失させた。一方、Asn97のAspへの置換は活性部位ループに特異的な構造変化を引き起こし、kcat価値を変化させずにKm値を70倍増大させた。対照的に、Paracoccus sp. 12-AのFDHの相当位置のGlu141をGlnとAsnに置換したところ、Km値は大きく変化せず、Kcat値が大きく減少した。特にAsnへの置換はグリオキシル酸還元活性を著しく増大させ、酵素を2-ヒドロキシ酸脱水素酵素へと変換させた。すなわち、D-LDHとFDHでは、それぞれの活性部位ループが基質結合の安定化と水素転移反応の促進という異なる役割を担っており、Asn97とGlu141が各々の活性部位ループにこうした機能を与えていることが示された。 L. caseiのL-LDHは2-ケト酸基質に対して広い特異性を示すが、Arg173およびHis188の置換解析の結果、2-ケト酸基質は調節部位にも結合して活性化効果を発揮し、Arg173は2-ケト酸の調節部位へ結合に、His188は2-ケト酸に対する特異性の決定に、各々重要な役割を担っていることも明らかになった。
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