研究課題/領域番号 |
15580093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
花田 秀樹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教務員 (50228508)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アポトーシス / アセチル-L-カルニチン / 甲状腺ホルモン / オタマジャクシ尾部アポトーシス / DNA断片化 / DNAラダー構造 / 酸性DNase / 脂質過酸化 / ニホンアカガエルオタマジャクシ / E-64 / カルニチン / オタマジャクシ |
研究概要 |
カルニチンは筋組織に多く含まれ、脂肪酸をミトコンドリア内へと運び入れる働きを行う。多くの研究者らは、ミトコンドリアの機能不全によって誘導された膜透過遷移(MPT)がアポトーシスにおいて重要であることを示唆した。MPTはシトクロムcの漏出の通過口であると考えられ、漏出したシトクロムcとcaspaseの前駆物質が複合体を形成して、caspase依存型のDNase(CAD)を活性化させ、アポトーシスを起こすと考えられている。柏木らは(2001)、カルニチンはMPTの閉口に関わっていることを示唆した。甲状腺ホルモン誘導によるオタマジャクシ尾部アポトーシスにおいて活性化されるDNaseは、CADではなく、酸性DNaseである(Coleman、1963)。本研究の目的は、甲状腺ホルモン(T_3)誘導によるオタマジャクシ尾部アポトーシスにおけるカルニチンの役割を明らかにすることである。(1)平成15年度の実績:2mMおよび5mMのアセチル-L-カルニチン(ALC)共存下もしくは非共存下において1×10^<-8>MのT_3をTKステージXのニホンアカガエルオタマジャクシに24時間暴露させ、尾部短縮阻害の効果を調べた。その結果、5mMのALC処理群のオタマジャクシはすべて死亡し、2mM処理群のオタマジャクシの尾部は短縮が阻害されることがわかった。(2)16年度の実績:15年度実績を受け、ALC共存下もしくは非共存下において、TKステージXのニホンアカガエルオタマジャクシをT_3に暴露して、脂質過酸化物の増加、DNA断片化の増加、DNAラダー構造の形成および酸性DNaseの活性の増加を生化学的に調べた。その結果、T_3によって誘導された尾部の短縮に伴い、脂質過酸化物および酸性DNaseの活性は増加し、そしてDNA片化の増加およびDNAラダー構造の形成が観察された。ALCはT_3の効果を抑制した。さらに、システインプロテアーゼ阻害剤であるE-64の存在下もしくは非存在下で培養されたアフリカツメガエルオタマジャクシ尾部片にT_3を処理したところ、H-64共存下の尾部ではT_3処理した尾部の酸性DNase活性の約半分であった。これらの結果は、T_3誘導による尾部アポトーシスの機構にMPT、脂質過酸化や酸性DNaseの活性の増加が重要な働きを担っており、ALCはT_3の効果を抑制することがわかった。
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