研究課題/領域番号 |
15580106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
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研究分担者 |
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (10177701)
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80213148)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | モニターペプチド / 膵分泌性トリプシン阻害物質 / コレシストキニン / グランザイムA / 上皮細胞間リンパ球 / 腸管上皮細胞 / ホルモン産生細胞 / 膵分泌性トリプシンインヒビター / 上皮細胞間Tリンパ球 / 小腸上皮細胞 |
研究概要 |
モニターペプチド(ラットの膵分泌性トリプシン阻害物質のひとつ)は小腸のホルモン産生細胞の菅腔表面に作用してコレシストキニンの放出を促す。研究代表者らはコラゲナーゼ処理によって分散させた小腸粘膜細胞の表面にモニターペプチドと特異的に結合する蛋白質があることをみいだし、このものがコレシストキニンの放出を仲介する受容体として機能していると仮定してきた。近年研究代表者らはこの結合蛋白質が細胞傷害性リンパ球の産生するプロテアーゼ、グランザイムA(GrA)であることを明らかにした。 本課題において研究代表者らはGrAの腸管における局在について検討したところ、上皮層に散在する上皮細胞間リンパ球に存在していることを明らかにした。このことからGrAがモニターペプチドによるコレシストキニン放出を仲介する受容体の本体ではないことが示唆された。一方、モニターペプチドがGrAのプロテアーゼ活性(トリプシン様活性)を強く阻害することをみいだし、生体内においてGrAの触媒する反応をコントロールしていることが予想された。GrAは単球などに作用し炎症性サイトカインあるいはケモカインの放出を促進させる作用が報告されていることから、腸管GrAについても同様の意義があることが予想された。研究代表者らはデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与によって人為的に潰瘍性大腸炎モデルラットを作製したところ、大腸粘膜中のGrA活性の著しい上昇がみられることをみいだした。DSSと同時にモニターペプチドを腹腔に投与したところ、炎症の低減が認められた。これらのことからGrAは炎症の増悪因子として働くこと、モニターペプチドはGrAが仲介する炎症をコントロールしていることが示唆された。
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