研究課題
基盤研究(C)
1.イソフラボン類の脂質二重層に対する親和性を調べるため、リポソームへの取り込み量を調べた。その結果、A環5位の水酸基の存在とB環4'位のメトキシ基の存在が取り込み量の増大に寄与していた。また、動物細胞を用いたコロニー形成法により数値化したイソフラボンの細胞毒性は、リポソームへの取り込み量と正の相関があった。2.様々なアルキル鎖長を持つ(+)-catechinの誘導体を調製した。これら誘導体の複数のグラム陽性菌に対する抗菌性はアルキル鎖長の増大に伴って高くなった。アルキル鎖の炭素数が3以上の時、リポソームへの取り込みが増大した。さらに炭素数が5以上の時にリポソーム膜の破壊が観測された。以上の結果から、(+)-catechinの誘導体の抗菌活性は、脂質膜への親和性と脂質膜の構造変化をもたらす作用の両方に影響されることが明かになった。3.過酸化水素とミオグロビンの存在下、脂質ミセルにおこる脂質過酸化反応を酸素電極でモニターした。この方法を利用して、フェノール酸(カフェ酸、フェルラ酸、p-クマル酸)の抗酸化性を調べたところ、pH7.4ではferrylmyoglobinの還元、pH3.4ではミセル内部でおこるラジカル連鎖反応の停止が主な作用機構であると結論した。4.epigallocatechin gallate(EGCg)とdimyristoylphosphatidylcholine(DMPC)との作用を^<31>Pや^2Hをプローブとする固体高分解能NMR法により調べた。DMPCリポソームにEGCgを添加するとリン脂質の^<31>Pの化学シフトの異方性が低下した。またDMPCリポソームに加えた[4-^2H]EGCgをNMR測定すると、^2HのNMRスペクトルは固体状態に比べてはるかに低い四重極分裂を示した。以上の結果は、EGCg分子が脂質二重層と相互作用することを直接示している。
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