研究概要 |
紫トウモロコシ色素から大量調製した半精製色素および純粋なシアニジン3-グルコシド(C3G)と,各種糖基質を用いて各種糖関連酵素による配糖化を検討した結果,糖転移酵素サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)類が最もC3Gの糖転移体(Gly-C3G)を生成した。次に,最適酵素としてCGTase類のコンチザイム,最適糖基質としてα-シクロデキストリンを含有するデキシパールK-100を選び,C3Gの配糖化反応条件を検討した結果,最適糖基質濃度は100g/100mL最適pHはpH4.0,最適色素濃度は1g/100mL,最適反応時間は3時間と判明した。 最適反応条件下大量スケールで配糖化反応を行った結果,反応液中には高度に配糖化が進んだと考えられる親水性の高い多くの新規Gly-C3G類が生成した。そのうち比較的量の多い6種のGly-C3G類(G1〜G6)は各種カラム分離により単離できた。単離色素につきHPLC, UV-Vis,およびESI/TOFMS分析を行い,G1〜G6はそれぞれC3Gの3-位グルコース残基の4-位OHに,グルコース糖鎖が順次直線状にα-1,4結合した非天然型のポリ配糖体と推定された。 このように,大量スケールの配糖化反応でも少量スケール試験と同じように反応が進み,当初期待していたGly-C3Gが得られたが,単離できた配糖体はいずれも微量であった。従って,収率を上げる条件検討および安定性や機能性の評価が今後の課題である。
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