研究分担者 |
柴田 英昭 (柴田 秀明 / 柴田 秀昭) 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70281798)
高木 健太郎 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (20322844)
大手 信人 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10233199)
徳地 直子 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60237071)
木庭 啓助 (木庭 啓介) 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (90311745)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
森林流域からの一酸化二窒素(N_2O)・メタン(CH_4)の吸収・放出と,その制御要因としての水文過程に焦点を当て,滋賀県南部の桐生試験地において観測を行った.CH_4に関しては,流域内の湿地とその周辺,N_2Oは源頭部小流域においてそれぞれガス態と地下水溶存態の濃度を測定した.また,CH_4の炭素安定同位体比の測定を実施した. この結果以下のことが明らかになった. 1.土壌水分量の少ないヒノキ林の土壌では年間を通じてメタンの吸収を,湿地土壌は年間を通じて放出を示していた.夏期,湿地でヒノキ林における吸収量を大きく上回るような放出が起こることが明らかになった. 2.地温と地下水位の変動に伴って土壌中の酸化還元状態が変化し,メタンの生成・放出が制御されていることが示された.吸収過程には主として土壌水分条件が影響していることがわかった. 3.湿地における地下水中の溶存CH_4とCO_2の炭素安定同位体比の季節変動はよく一致しており,主なCH_4の起源が有機物の分解の結果供給されたCO_2であることが示された. 4.N_2Oは,主に飽和地下水帯縁辺部において,DOC供給が豊富なところで生成されていることが明らかになった.この部分は通常嫌気的であるので,N_2Oの生成は脱窒によるものと考えられた.地下水帯の中央深部ではN_2O濃度が大気平衡レベルよりも低く,N_2Oへのさらなる還元が進んでいることがわかった.
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