研究課題/領域番号 |
15580136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 日本大学短期大学部 |
研究代表者 |
安齋 寛 日本大学短期大学部, 農学科, 教授 (70168029)
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研究分担者 |
岩田 隆太郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90213298)
砂入 道夫 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (80196906)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 森林性甲虫 / カブトムシ / 腸内微生物叢 / カミキリムシ / 16S rDNA / ミトコンドリアCOI遺伝子 / ルリボシカミキリ / マツノマダラカミキリ / カラフトヒゲナガカミキリ / ヒメスギカミキリ |
研究概要 |
【目的】森林生態系の物質循環において、重要な役割を果たしている鞘翅目甲虫類は、その種類およびライフサイクルの各ステージにおいて様々な食性を示し、針葉樹・広葉樹といった樹種や、生木・枯木、腐食性とその成分組成も多岐にわたっている。これら鞘翅目甲虫の多様な食性を可能にしているのは、昆虫自身の遺伝子情報により生合成される消化酵素だけではなく、消化管に共生する微生物によるところが大きく、種により特有の微生物叢を保持しており、その腸内環境が各種環境中に見出される微生物の生態に重要な役割を果たしていると予測した。本研究では、種々の生態を示す鞘翅目甲虫を天然から採取し、また人工的飼育環境で特定の餌料で飼育し、その消化器官に存在する微生物叢を微生物学手法と分子生物学的手法を用いて、明らかにすることを目的とした。 【方法】試料生物としては、日本産カブトムシの幼虫と各種カミキリムシを使用し、その腸内環境を測定し、腸内微生物叢を明らかにする為に、培養法と非培養法を用いて解析を行った。 【結果】カブトムシ幼虫の腸管を経路にそってpHと多糖分解酵素活性に加え陽イオン濃度や揮発性脂肪酸濃度にも勾配があることが示された。また、その幼虫腸内微生物叢の非培養法による解析の結果、16SrDNAに特異的なプライマーを用いた場合、中腸と後腸ではそのパターンが著しく異なることが示唆された。培養法による解析では、好気的条件と嫌気的条件で細菌を単離し、単離菌株の16SrDNAを解析して属を決定する実験を繰り返して検出された属ごとの菌株数を比較したところ、嫌気的条件で中腸ではγ-proteobacteriaとBacilliがほぼ同じで主要な属でありClostridiaがそれに次いでおり、後腸ではBacilli, Actinobacteria, γ-proteobacteria, Clostridiaの順であった。さらに、カブトムシ幼虫腸内にはアルカリ性で作用する強いキシラナーゼ活性が検出されたことから、アルカリ性の培地にキシランを炭素源として培養したところ、キシラナーゼ活性を有する多数の単離菌株が得られ、その多くはBacilliであった。カミキリムシに関しては、カブトムシに比較して、個体が小さく、得られる試料数も少ないため現在も解析を継続して行っている。
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