配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究では材質変動の比較的少ない樹種であるスプルースを使用し,圧縮率をさまざまに変化させて試験体を作製した。得られた試験体をさまざまな方法で力学試験し,その特性評価を試みた。結果を以下に示すと (1)圧縮成形木材の力学特性におよぼす圧縮率の影響は,強度的性質よりも弾性的性質により顕著に現れた。 (2)繊維方向のヤング率は圧縮率とともに上昇し,既往の研究で指摘されるように圧縮成形加工が比較的効果的であると思われた。曲げ強さに関しては,圧縮成形加工が強度的性質の向上を目指した加工法であることを考慮した場合,満足した結果が得られたとは言えなかった。 (3)適切な圧縮率で圧縮加工によって接線方向のヤング率や板目面のせん断弾性係数が増大した。一方,圧縮加工によって半径方向のヤング率やまさ目面のポアソン比およびせん断弾性係数は低下する傾向が強く,こうした弾性率の変化を考慮した使用法を検討する必要があると思われた。 (4)半径方向や接線方向の引張強さや木口面のせん断強さの測定は,成形後の試敬体の形状から非常に難しく,本研究では実施できなかった。この点のみならず,圧縮成形木材の強度特性の測定にはまだ検討すべき点が多く,今後の課題としたい。 圧縮成形木材の弾性定数におよぼす圧縮率の影響についてまとめたものは雑誌「木材工業」の2006年4月号に掲載予定である。また,曲げ強さやせん断強さに関する部分は"Wood Science and Technology"に,木口面に関する弾性特性に関する部分については"Forest Products Journal"に投稿し,現在審査中である。
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