研究概要 |
沖縄県島の河川調査に加え,西表島,沖永良部島,徳之島,奄美大島,種子島で外来魚を採集した。採集物は10%ホルマリンで固定後,研究室に持ち帰り,同定した。また,南風原ダムで毎月,ジルテラピアを採集し,体長と体重を計測後,生殖腺と耳石を摘出し,産卵期の推定と年齢査定を行った。また,ジルテラピアの仔稚魚の形態を記載した。 離島の外来魚分布調査 西表島:グッピーが新たに確認された。沖永良部島:カワスズメの生息が確認された。徳之島:カワスズメ,ジルテラピア,オイカワの生息が確認された。奄美大島:ジルテラピアが新たに確認された。種子島:カダヤシとプラティの生息を確認した。今年度までの調査で,琉球列島の外来魚の島ごとの分布地図がほぼ完成した。 ジルテラピアの生活史 合計2,642個体のジルテラピアを解析した結果,本種の産卵期は,4月をピークとする2〜8月であり,孕卵数(F)はF=1.5615x体長^<1.4637>で示された。耳石輪紋による年齢査定の結果,本種の成長曲線は,雄:SL=214.4{1-exp[-0.16(t+1.45)]},雌:SL=97.5{1-exp[-0.61(t+0.08)]}で近似された。雌雄ともに最高齢は6歳であった。本種の孵化仔魚は,脊索長3.4mmで大きな卵黄をもち,頭部に付着器を有していた。日齢15(4.2mm)で眼が黒化し,日齢15(標準体長6.2mm)で卵黄を完全に吸収し,日齢20(6.7mm)ですべての鰭条が定数に達した。
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