配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
研究概要 |
本研究は,消費者が,BSEや国産牛肉の安全確保の対策に関する知識・情報から牛肉の安全性についてどのように認知し,信頼を回復するかについて解明するとともに,牛肉に対する心理的態度が牛肉の購入選択行動にどのような影響を与えるか,実証的に明らかにすることを目的とした. このため,札幌市清田区在住の有権者を対象に,郵送質問紙調査を実施して,分析に必要なデータを収集した.そして,回答データの共分散構造分析により,回答者の牛肉に関する潜在的な知識・態度の因果モデルを同定・測定するとともに,選択実験回答データに離散選択モデルを適用・計測して,これらの計測結果に基づき課題の分析を行った. 共分散構造分析の結果,牛肉トレーサビリティ制度に効果があるという認識は,国産牛肉に対する安心感の向上に寄与しており,牛肉トレーサビリティ制度の効果の認識は,食品安全性情報の提供源として政府よりも研究機関を信頼する程度に強く影響されることが確認された.国産牛肉の安心感向上には,国産品の安全性への信頼,政府が提供する食品安全性情報に対する信頼,研究機関の提供する食品安全性情報に対する信頼,牛肉トレーサビリティ制度への信頼が寄与していることが明らかにされた. 回答者の「国産安全性信頼」,「国内トレーサビリティ信頼」,「政府情報信頼」,「マスコミ情報信頼」,「専門家情報信頼」の各態度変数を組み込んだRPLを選択実験データに適用・計測し,どのような信頼態度が牛肉属性の消費者評価に影響を与えているのか検討した.その結果,(1)国産安全性信頼傾向が強い回答者ほど,安全性を高める属性を評価せずに,国産か否かという点に注目して牛肉を評価する行動をとること,(2)政府の提供する安全性情報を信頼する態度が強いほど,牛肉の安全性関連属性に注意せずに,牛肉を購入選択する傾向があることが認められた.
|