研究課題/領域番号 |
15580217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
三原 真智人 東京農業大学, 地球環境科学部, 教授 (00256645)
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研究分担者 |
中村 貴彦 東京農業大学, 地球環境科学部, 講師 (10287451)
岡澤 宏 東京農業大学, 地球環境科学部, 助手 (30385504)
ANBUMOZHI V 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (70313004)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 環境調和型農林水産 / 農業工学 / 土壌学 / 農業生産域 / 土壌流亡 / 肥料流出 / 流出制御 / 土壌管理 / 持続的農業 / 土壌浸食 / 保全耕うん / 泥砂地 / テラス |
研究概要 |
農業生産域からの土壌および肥料成分を含む表面流去水の流出制御は、農業生産域の土壌保全および下流域の水環境保全上重要な課題となっている。そこで本研究では、農業生産域の中でも最も排出型に働く畑地における持続的な土壌管理システム化について、平成15年度から17年度の3年間研究を進めてきた。具体的には、畑地から土壌侵食に伴って流出する窒素・リン成分を定量的に把握し予測式を検討するとともに、保全耕うんと植被、表面流集水渠と植生帯との組み合わせによる土壌および肥料成分の流出制御を定量的に評価した。さらに表面流集水渠によって分離した懸濁水を適切に処理できる沈砂池構造について検討を進めた。また高い降雨強度のスコールを有するタイ国北部の急傾斜地テラスでの観測結果と比較検討して、日本のみならず東南アジアで適用可能な土壌管理システム化の構築を図った。主な成果は以下の通りである。 (1)土壌および窒素・リン成分の流出特性の把握:流亡土量と水質について観測した結果、畑地から流出する全窒素・全リンの88〜99%が懸濁態で流出することが明らかとなった。さらに、USLEに基づいて、全窒素・全リンの流出予測が可能であることを提案した。 (2)保全耕うんと植被との組み合わせによる土壌および肥料成分の流出制御:従来型耕うん(裸地条件下ロータリ耕うん)により土壌間隙率は増大するが、間隙構造は維持されなかった。一方、保全型耕うん(植被条件下シャフト耕うん)を実施すると、被覆植物によって形成された間隙構造が維持され、表面流を抑えて土壌および肥料成分の流出を顕著に抑制できた。 (3)表面流集水渠と植生帯との組み合わせによる土壌および肥料成分の流出制御:過剰な表面流去水を表面流集水渠で分水することで植生帯に流入する表面流量を調整でき、植生帯による土壌および窒素・リン成分の捕捉能を高い水準で維持できた。 (4)土壌管理システムにおける沈砂池構造の改良:逆浸透性沈砂池は浸透性沈砂池に比べて排水機能の低下は小さく、土壌流亡制御効果にも一定の評価が与えられ、さらに水抜き操作を加えると高い水準で排水機能を維持できた。 (5)タイ国北部の急傾斜地テラス土壌管理システム化の適用:リル侵食の発生状況や現地農家の営農的保全対策について調査した結果、リル侵食がガリ侵食に発達することを防止することが重要であり、リル侵食箇所の修復には、乾燥密度1.3g/cm3以上に土壌を締固めることが重要であると判断した。
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