研究課題/領域番号 |
15580231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 泰男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50153648)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ルーメン / 未知菌群 / 16SrDNA / リアルタイムPCR / 繊維分解 / プライマー / 付着動態 / バイオマス / 細菌 / 培養不能 / PCR / ライブラリー |
研究概要 |
本研究はルーメン細菌の大半を占める未培養菌がもつ役割を推定するため、非培養法(分子生物学的手法)を駆使してこれらの生態と生理を知ろうとするものである。ルーメンに浸漬した難分解性基質に付着する細菌の遺伝子ライブラリ解析から次のような成果を得た。 (1)データベースには無い新規細菌が数多く検出され、それらをグループ化すると、3つの未知グループ(U1-U3)に分類できた。U1はBacteroidesを網羅する大きな系統群、U2は木材成分分解に関与するとされるClostridium aldrichに近縁なグループ、さらにU3はルーメン内ヘミセルロース分解菌Eubacterium ruminantiumに近縁なものであった。 (2)U2およびU3のみ特異的増幅を保証するプライマーセットをデザインし、これらを両群定量のためのリアルタイムPCR系確立に供した。初めて確立した定量系は極めて高感度かつ高精度で、迅速に定量が可能なものであった。 (3)本定量系を利用して茎部への付着速度や付着壁の変遷などを明らかにした。U2はルーメンで浸漬培養した稲わら茎部に優先的に付着し、稲わら茎部上で最重要繊維分解菌Fibrobacter succinogenesと酷似した動態を示し、同菌種に次ぐバイオマスを示した。この結果はU2が繊維分解に関与していることを強く示唆するものであった。 (4)同稲わら茎部サンプルの電顕観察により、細胞外側に突起構造をもつClostridium属様かん菌が高頻度で見られたことから、これらがU2グループと思われる。従ってU2の分離には稲わら茎部上で集積したあと、同属菌の耐熱性を利用した分離培養の試みが有効かもしれないというヒントが得られた。
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