研究課題/領域番号 |
15580294
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
|
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
山田 隆紹 麻布大学, 獣医学部, 教授 (20126460)
|
研究分担者 |
辻本 元 東京大学, 農学部, 教授 (60163804)
斑目 広郎 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20173768)
久末 正晴 麻布大学, 獣医学部, 講師 (80333144)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | イヌ / 骨髄細胞 / 肝細胞 / 再生医療 / HGF / 胎盤抽出物 / c-Met / 幹細胞 / 肝臓 / C-Met |
研究概要 |
骨髄幹細胞が肝細胞増殖因子(HGF>を初めとする各種因子の存在下で肝細胞に分化しうることが報告されるようになり、骨髄の多能性幹細胞から目的の組織・臓器を再生できることは不可逆性の障害に対して究極の治療法とえられ、イヌの骨髄細胞から肝細胞の分化誘導法について検討を行った。最初に、HGFの刺激を細胞内に伝えるレセプターであるイヌc-Metの遺伝子クローニングを行った。すなわち、健康なイヌの肝臓組織よりRNAを抽出し、ヒト、ラット、マウスのc-Metの塩基配列を基にprimer設計し、24種のprimerを用いてPCRを行い、これらのPCR産物のアガロース電気泳動を行って目的サイズのPCR産物をpCR2.1-TOPO plasmid vectorに組み込み、このプラスミドを大腸菌内で増殖させた後、蛍光標識してシークエンスを行った。その結果、イヌc-Metは4419塩基でシグナルペプチドとえられる24のアミノ酸領域と1358のアミノ酸コード領域を含む1383のアミノ酸で構成されていた。 次いで、(2)骨髄細胞から肝細胞の分化誘導について検討を行うために、イヌ骨髄細胞に分化誘導因子と考えられているHGF(遺伝子組み替えネコHGF)を添加培養すると共に、ヒトの肝疾患の治療に用いられている「ヒト胎盤抽出液(ラエンネック)」を添加培養して肝細胞への分化誘導について検討した。すなわち、骨髄穿刺により得られた骨髄細胞を比重遠心法により単核球に分離しHGM培地に牛胎児血清を10%に添加したものを基本培地として培養を行った。コントロール群(基本培地にEGF添加)、胎盤抽出物添加群(基本培地にEGFとラエンネック添加)、HGF添加群(基本培地にEGFとリコンビナント・ネコHGF添加)の3群について、7日、14日、21日、27日後に肝細胞のマーカーと考えられるアルブミンmRNAならびにアルブミン、サイトケラチン(CK)18、サイトケラチン(CK)8について免疫染色を行いその発現を観察した。胎盤抽出物添加群では培養開始14日目に形態的に肝細胞様に変化し、アルブミンmRNAを発現し、アルブミンおよびCK18の蛋白は陽性を示した。HGF添加群では培養28日目に胎盤抽出物添加群と同様な変化を示しアルブミンmRNAの発現、アルブミンおよびCK18蛋白陽性を示した。しかし、c-Metシグナルを選択的に抑制する合成ペプチドを添加培養した場合に細胞の増殖・分化は困難であった。 これらの結果より、イヌ骨髄細胞はHGF存在下で肝細胞に分化可能であることが明らかになり、さらに、ヒト胎盤抽出物にはHGFと共に作用して肝細胞への分化誘導を促進させる因子が含まれることが示唆された。(特許申請中)
|