研究課題/領域番号 |
15580309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鎌倉 高志 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (70177559)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 植物病原菌 / 感染特異的器官 / 遺伝子発現調節 / いもち病菌 / 付着器 / 胞子発芽管 / リゾリン脂質 |
研究概要 |
本研究はいもち病菌の感染時に機能する遺伝子群の解析を通して植物病原性の発現、中でも感染時に分化する感染必須器官である付着器の分化誘導に関わる遺伝子群の機能を明らかにすることを目的とし、これまでの研究で得られた固体基質表面の物理的因子の認識に関わると思われる遺伝子CBP1について、さらに解析を行った。同遺伝子は胞子発芽管では顕著に発現しているが、栄養菌糸成長時には、ほぼ完全に抑制されているため、この発現パターンが感染時に機能する遺伝子群のうち一つのグループに共通するものではないかと考え、同遺伝子のプロモーター領域の解析を行った。その結果、プロモーター領域のうち、50bp以内の特定の領域において栄養菌糸成長時の発現抑制に密接に関わる調節領域が存在することを明らかにし、調節配列の候補を見いだした。さらに、感染ステージに発現する遺伝子群のライブラリー中より、LPL1遺伝子に注目し、本遺伝子がリゾフォスフォリパーゼをコードしていることを明らかにするとともに、本遺伝子の遺伝子破壊体を作成したところ、付着器形成に特徴的な機能不全を生じていた。LPL1遺伝子の破壊体は付着器が機能するために必要な膨圧の発生に遅延がみられ、付着器の膨圧発生にはこれまで知られていた主経路であるグリコーゲンからのグリセロールの蓄積の他に、脂質代謝系が重要な役割を持っていることを示した。これは、従来より細胞学的な観察から可能性が示唆されていたことではあるが、遺伝子レベルで初めてその関与を明らかにしたものである。
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