研究課題/領域番号 |
15590010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
新藤 充 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40226345)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イノラート / オレフィン化 / 二次軌道相互作用 / アシルシラン / ビニルシラン / 超原子価ケイ素 / エステル / torquselectivity / torquoselectivity / 電子環状反応 / ケトン / エノールエーテル / オレフィン化反応 / 超原子化ケイ素 / 炭素ケイ素結合 / 分子内高配位 |
研究概要 |
イノラートはケトンと反応するとβ-ラクトンエノラートを生成し、この中間体は-20度以上で開環し四置換オレフィン(α、β-不飽和カルボキシラート)を与えることを既に見出している。本反応について精査した。 (1)アリールアルキルケトン、アリールアリールケトン、アルキルアルキルケトンのオレフィン化 アリールアルキルケトンではE体、アリールアリールケトンでは電子過剰なアリール基がカルボキシル基に対してトランスの配置、アルキルアルキルケトンでは、例えばピナコロンではZ体が優先した。いずれも高収率で四置換オレフィンを与えた。 (2)アシルシランのオレフィン化 ほぼ完壁なZ選択性でβ-シリルアクリル酸誘導体を高収率で得ることに成功した。本反応は一般性がきわめて高く初めての高選択的4置換オレフィン化反応である。この生成物は官能基変換や炭素炭素結合形成反応が容易であり、特に檜山カップリング反応はフッ素イオンの添加やヘテロ原子の導入を要しない。カルボニルのケイ素に対する分子内高配位による超原子価ケイ素の形成のためである。この超原子価ケイ素を利用した炭素ケイ素切断反応(シララクトンの生成反応)も見出した。 (3)エステルのオレフィン化 エステルはケトンに比べ求電子性に著しく劣るため、古典的なオレフィン化では困難であった。イノラートはエステルとも-20度以上で速やかに反応し、四置換オレフィンを良好な収率、高いE選択性で与えた。 これらのオレフィン化反応の立体化学はβ-ラクトンエノラートの開環(電子環状反応)時のtoruquoselectivityにより決定される。これは遷移状態での軌道相互作用が重要であり、理論計算によりその二次軌道相互作用を検討したところ、π軌道やC-Hσ軌道はoutwardに回転するとき切断されるC-O結合のσ*軌道を安定化し、一方、C-Si、C-O、C-Cσ*軌道は切断されるC-Oσ軌道を安定化しinwardに回転することが明らかとなった。
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