研究課題/領域番号 |
15590021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
橘高 敦史 帝京大学, 薬学部, 教授 (00214833)
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研究分担者 |
齋藤 望 帝京大学, 薬学部, 助手 (80349258)
本澤 忍 帝京大学, 薬学部, 助手 (90311547)
荒井 緑 帝京大学, 薬学部, 助手 (40373261)
杉山 亨 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40242036)
藤島 利江 帝京大学, 薬学部, 講師 (90286980)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ビタミンDレセプター(VDR) / 活性型ビタミンD_3 / アンタゴニスト / アゴニスト / TEI-9647 / Paget's骨病 / HL-60細胞 / 構造活性相関 |
研究概要 |
ビタミンDレセプター(VDR)に対するアンタゴニストとしてTEI-9647とTEI-9648が知られている。両者の違いは23位の立体化学がTEI-9647で23S、TEI-9648で23Rである。アンタゴニスト活性はTEI-9647の方が強く、HL-60細胞への活性型ビタミンD_3(10nM)の分化誘導作用に対するIC_<50>値は8nMである。TEI-9647のVDR結合親和性、及び血中安定性がいずれも活性型ビタミンD_3より低いことが知られている。VDRアンタゴニストは、Paget's骨病の発症メカニズムの研究からその治療薬としての可能性が注目されている。我々は、TEI-9647を基本骨格としてそのたぐいまれなアンタゴニスト活性を向上させることにより、なぜTEI-9647がアンタゴニスト活性を示すのかを調べるとともに、Paget's骨病の治療薬としての可能性を高めた。 1.VDRへの結合親和性を高めた:我々はVDRアゴニストのVDR結合親和性の向上に、2α位の化学修飾が有効であることを見出している。TEI-9647もアンタゴニスト作用発現にはVDRに結合することが必要なため、TEI-9647の2α位を化学修飾(メチル基、ヒドロキシプルピル基、ヒドロキシプロポキシ基などを導入)した。その結果、VDR結合親和性を5倍まで上昇させることに成功した。 2.血中安定性を高めた:TEI-9647は側鎖にα-メチレン-γ-ラクトン構造を有するため、この部分が生理的条件に構造上不安定であると考えられる。TEI-9647の血中T_<1/2>は数分である。我々はラクトン環24位に置換基を導入することにより立体障害を設け、血中安定性を向上させ、かつ、アンタゴニスト活性発現に対する24位の立体化学と嵩高さの影響を調べた。特に24,24-ジメチル体に導いた結果、血中T_<1/2>は数時間程度まで向上した。 3.2α位と24位の同時化学修飾による相乗効果を調べた:2α位と24位を同時修飾した化合物を100種余り合成し、両置換基の相乗的効果がアンタゴニスト活性に強く表れることを示した。最高のもので活性型ビタミンD_3(10nM)の細胞分化誘導作用に対するIC_<50>値は0.093nMという、TEI-9647に比べ極めて顕著な活性上昇を実現した。
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