研究課題/領域番号 |
15590053
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平 敬宏 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70197036)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | MM-1 / 癌抑制遺伝子 / c-Myc / ユビキチン / Wntシグナル / c-fms / プロテアソーム / 転写調節 / C-fms / タンパク質分解 / コレプレッサー / リンパ腫 |
研究概要 |
新規c-Myc結合タンパク質として単離したMM-1はc-Myc転写能を抑制する新規癌抑制遺伝子産物である。今までに、c-Myc-MM-1-TIF1β経路によりHDAC複合体をリクルートしc-Myc転写能を抑制することを明らかにしている。今回、この経路のターゲット遺伝子として癌遺伝子であるc-fmsを同定した。解析の結果、c-fms遺伝子は血球系細胞以外ではc-fms遺伝子プロモーター内のE-box配列にc-Myc-MM-1-TIF1βが結合することで転写抑制されており、この経路の破壊によりc-fmsの癌遺伝子能が発揮されることが明らかとなった。 更に、MM-1の転写抑制ターゲット遺伝子の探索のために、MM-1発現ノックダウン細胞を樹立し、親株とのDNA microarray解析により遺伝子を同定した。1つの遺伝子としてc-Myc経路の上流に存在するWnt4遺伝子が同定され、MM-1が転写レベルでWnt4遺伝子の発現抑制をしており、MM-1発現減少がWnt4シグナルの活性化を誘起し、c-myc遺伝発現促進につながることを明らかにした。 また、MM-1はプロテアソームサブユニットRpt3と直接結合することでc-Mycをプロテアソームにリクルートし、c-Myc分解を促進する。今年度、この系を詳細に解析し、ElonginB, Elongin C, Cullin2によるc-Mycのユビキチン化をMM-1が促進すること、更にこれら関与する複数のタンパク質の遺伝子に対するsiRNAを使い、endogenousなレベルでこの系が存在することを明らかにした。 このように、MM-1なc-Mycとの結合による転写抑制と分解、Wnt4遺伝子の抑制の3つの経路によりc-Myc機能を抑制していることが明らかとなった。
|