研究課題/領域番号 |
15590068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 新潟薬科大学 (2004) 昭和大学 (2003) |
研究代表者 |
中谷 一泰 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (40053855)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 癌予防剤 / dUTPase / アポトーシス / DNA合成阻害 / シコニン誘導体 / チロシンキナーゼ / 分子標的 / 細胞死 / チロシンキナーゼ阻害剤 / 質量分析装置 / 癌細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、質量分析装置を用いて、癌細胞のアポトーシス誘導時や悪性転化、転移能の獲得時に発現量や化学修飾レベルの変動するタンパク質群を高感度・高精度で検出する方法を確立し、それら変動する分子の中で癌予防剤の分子標的として適しているものを選択することである。 昨年度は、我々が開発したチロシンキナーゼを特異的に阻害するアポトーシス誘導剤であるβ-ヒドロキシイソバレリルシコニンで肺癌DMS114細胞を処理し、二次元ゲル電気泳動法で分析後、質量分析装置(Micromass製Q-Tof)によりリン酸化反応が阻害されたタンパク質のうちの一つをdUTPase(deoxyuridine triphosphate nucleotidohydroxylase)と同定した。dUTPaseはDNA合成に重要な役割を果たしており、抗癌剤や癌予防剤の分子標的として重要であると考えられるので、この結果をさらに詳細に調べた。まず、dUTPaseに対する抗体を用いてウエスタンブロット法で調べた結果、β-ヒドロキシイソバレリルシコニンで肺癌DMS114細胞を処理した結果、リン酸化されたdUTPaseが減少していることがわかった。また、dUTPaseのmRNAに対するRNAiをDMS114細胞に導入してdUTPaseの発現を減少させ、β-HIVSで処理したところアポトーシスの誘導が増強された。さらに実際にdUTPaseの活性を測定したところ、β-ヒドロキシイソバレリルコニンで処理後30分以内にdUTPaseの活性が顕著に減少した。dUTPaseの活性をこのように顕著に減少させる薬剤はβ-ヒドロキシイソバレリルシコニン以外には見出せなかったので、このシコニン誘導体の毒性をさらに低下させた化合物が癌予防剤として適していると結論した。
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