研究課題/領域番号 |
15590081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
藤本 貞毅 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80090182)
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研究分担者 |
長澤 一樹 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (30228001)
長井 克仁 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00351271)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 酸化ストレス / アルミニウム / 血液脳関門 / 神経細胞 / 神経変性 / 脳 / 輸送担体 / cystine / glutamate交換輸送担体 / クエン酸アルミ / SH-SY5Y / cyctine / ダウンレギュレーション / Glutamate / Cystine交換輸送担体 |
研究概要 |
アルミニウム(Al)に神経毒性があることは一般に認められている事実であり、神経変性疾患の発症との関連が指摘されているもののその作用機構は明らかではない。また、Alの脳内における主要分子型であるAl citrateの血液脳関門透過は厳密に制御されており、その破錠は脳内へのAl citrateの移行及びその異常蓄積に繋がると考えられるが、その実体は不明である。申請者らは、ラット不死化脳毛細血管内皮細胞RBEC1及びヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yをモデル細胞として用い、Al citrateの輸送系を調べると共に、SH-SY5Y細胞については、その輸送担体の発現量及び細胞の酸化ストレス感受性におよぼすAl citrateの影響を調べた。その結果、RBEC1及びSH-SY5Y細胞によるAl citrateの取り込みは、いずれも、温度及び濃度依存的であること、細胞内ATP、内向きproton及びsodium勾配に非依存的であること、種々の有機アニオン化合物がAl citrateの取り込みを阻害し、中でも、L-cystine/L-glutamate交換輸送体(system Xc^-)の基質は、その取り込みに対するtrans-stimulation効果を示すこと、さらに、system Xc^-の構成分子であるxCT及び4F2hcのmRNAが発現していること、等を認めた。これらの結果は、BBB及びSH-SY5Y細胞におけるAl citrate輸送にNa^+ independent L-cystine/L-glutamate exchanger system Xc^<-->が関与することを示すものである。さらに、SH-SY5Y細胞について、Al citrateを長時間作用させるときxCT及び4F2hc mRNAの発現が低下すること、また、Al citrate処理した細胞は、未処理細胞に比べて、glucose枯渇による細胞内nitrotyrosine量が増加すると共に、cell viabilityの低下が認められた。これらの現象は、Al citrateによって神経細胞におけるxCTのダウンレギュレーションが起り、細胞の酸化ストレスに対する抵抗性が低下することが、神経細胞におけるAl毒性の一因であることを示唆するものである。
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