研究課題/領域番号 |
15590088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松本 健 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (60222311)
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研究分担者 |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | mRNP / Yボックス蛋白質 / 翻訳調節 / Y-ボックス蛋白質 / mRNAの局在 / RNA結合蛋白質 |
研究概要 |
真核細胞内では、mRNAは特定の蛋白質との複合休であるmRNPの形で存在する。mRNPの主要なコンポーネントとしてY-ボックス蛋白質が知られる。この蛋白質の量によって、特定のmRNAの翻訳の促進あるいは抑制が調節される。本研究ではY-ボックス蛋自質FRGY2; CiYB1やYB-1をプローブとして、mRNP形成とそのmRNA代謝への影響を調べた。 1. FRGY2とmRNAとの複合体を試験管内で再構成し、生化学的解析、電子顕微鏡での観察をおこなった。細胞内で貯蔵されているmRNAの状態をある程度再現したmRNPを、Y-ボックス蛋白質単独で形成できることを示した。 2.ホヤ卵母細胞のciYB1と母性mRNAの局在について検討した。ciYB1は細胞質全体に存在するが、特に後極に強いシグナルが観察された。後極に局在する母性細胞質因子であるCi-macho mRNAなどはCiYB1蛋白質と複合体を形成していた。無細胞系でCiYB1はこれらのmRNAの翻訳を抑制した。 3.トリDT40細胞よりYB-1を含む複合体を調製した。この複合休の解析によって、多くのRNA結合蛋白質やリボソーム奪白質がRNA依存的にYB-1と複合体を形成していることを見出したほか、RNA非依存的にYB-1と結合する酸性蛋白質YBAP1を同定した。さらに、YBAP1が無細胞翻訳系でのYB-1による翻訳抑制を解除することがわかった。YBAP1はYB-1をmRNAから引きはがすことでmRNAの翻訳を回復させるというメカニズムを明らかにした。 以上の結果は、Y-ボックス蛋白質などによるmRNPの形成とその構造変化がmRNAの局在化および翻訳活性の調節に重要な役割を果たすことを示す。また、mRNPの構造変化が、YBAP1のような蛋白質によって引き起こされる可能性が示された。
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