研究課題
基盤研究(C)
核内レセプターの変異によって起こる疾病があり、これらの疾病は遺伝子の変異によって起きるもので、難病とされているものが多い。当研究者は、これらの疾病に対する薬物開発に興味を持った。これは遺伝的に起こる疾病に対する化学的なアプローチと考えられる。ごく最近、同様な研究が変異タンパクに対する「pharmacological rescue」(J.A.C.S.,2001,152)という概念として提唱された。本研究では、核内レセプター変異疾患に対する薬物の分子設計と合成をおこなう。特に、ビタミンD受容体機構異常症(特定疾患)の治療薬の開発を目的とする。つまり、異常レセプターに結合する救済型ビタミンDを設計することである。さらに、ここでの方法論を、他のレセプター異常症治療薬の開発に応用する。○アンカー型ビタミンD_3アナログの設計と合成天然型の活性ビタミンD_3では3つの水酸基がレセプターと2つずつ合計6つの水素結合を形成している。変異型ビタミンDレセプター(VDR)は、274のアルギニンがロイシンに変異しているので天然型の活性型ビタミンD_3の1位の水酸基と水素結合を作れず、親和性が低く。遺伝的くる病が起きる。そこで、2位に、水酸基をもつアルキル基(アンカー部)を導入し、142のトレオニンと水素結合を形成し、レセプターとの結合を強める分子の設計を行い、合成を行った。実際、変異レセプターとの結合能を調べたところ、天然体レセプターより数倍増強した。
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