研究課題/領域番号 |
15590109
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50178323)
|
研究分担者 |
佐々木 成江 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (20359699)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ストレス応答 / ステリルグルコシド / コレステリルグルコシド / ストレスタンパク質 / HSP / 胃潰瘍 / 抗潰瘍作用 / Hsp / コレステロール / ステロール配糖体 / 出芽酵母 |
研究概要 |
細胞は外界からの各種ストレスに対して、自己を守るためのストレス応答システムを備えている。本研究では寒冷拘束ストレス胃潰瘍モデルラットを用いて、ストレス依存的な細胞膜脂質の変動を詳細に解析した。その結果、糖脂質の一種であるステリルグルコシドがストレス応答に密接に関与していることを示す、以下の知見を得ることができた。 1.組織から脂質を抽出して生化学的に分析した結果、寒冷拘束ストレスを負荷したラット胃では、コレステリルグルコシドが蓄積されることが観察された。 2.ラット胃ホモジネート中に、UDP-グルコースとコレステロールからコレステリルグルコシドを生合成する酵素活性が見いだされた。 3.有機合成したコレステリルグルコシドを予めラットに経口投与すると、ストレス性胃潰瘍の形成が抑制された。その際、胃粘膜細胞内でストレスタンパク質HSP70の誘導が観察された。 4.また、大豆由来のステリルグルコシドを経口投与した場合も、ストレス性胃潰瘍の形成が抑制された。その抑制機構は、細胞内ストレスタンパク質HSP70の誘導を介さないことが示唆された。 以上から、細胞をストレスから防御する機構において、コレステリルグルコシドが重要な役割を演じていることが考えられた。ステリルグルコシドの合成を介した、新たな細胞のストレス応答シグナル伝達系が存在する可能性が示唆された。その機構について、今後、さらに詳細な解析を行う必要がある。
|