研究課題/領域番号 |
15590110
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264047)
|
研究分担者 |
高濱 和夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 環境ホルモン / ジエチルスチルベストロール / エストロジェン受容体 / シナプス可塑性 / LTP / LTD / 海馬 / プロテオーム解析 / 内分泌撹乱物質 / DES / 長期増強 |
研究概要 |
妊娠11〜17日のddY系母マウスに、30μLのコーン油に溶解したDES 100ngまたはコーン油30μLのみを1日1回経口投与し、生まれた仔マウスを実験に用いた。胎仔期低用量DES暴露により生後6週齢以降の雄で弱い高頻度刺激によるLTPが増強され、少なくとも6週齢においては、LTDも阻害されることが明らかとなった。また、LTPの増強と受動的回避反応の阻害が相関することも明らかとなった。エストロゲン受容体ノックアウトマウスにおける検討では、DESがERαを介してシナプス可塑性に影響する可能性が考えられる。しかし、例数が不足しているため、更なる検討が必要である。プロテオーム解析からは、胎仔期低用量DES暴露により変動する蛋白質が3種類見つかった。残念ながら、これらの蛋白質のシナプス可塑性との関連は不明である。雌ではシナプス可塑性への影響を捕らえることができなかった。今後さらに検討する必要がある。 詳細試験法としての応用を考えた場合、20Hz 100パルスの刺激よりも50Hz 30パルスの刺激の方が効率よくLTPを誘発でき、かつ6週齢でDES暴露の影響が強く現れた。In vitroの結果から、DESはERを介してLTPを増強するが、その作用は17β-estradiolより弱いことが示された。これらのことから、生後6週齢のマウスを用い、50Hz 30パルス刺激によるLTPと1Hz 900パルスの低頻度刺激によるLTDを指標とすることで、胎仔期に暴露された環境ホルモンのシナプス可塑性に対する影響を検討する詳細試験法として利用できる可能性が考えられた。胎仔期暴露から試験まで約8週間待つ必要があり、海馬スライスの状態が結果に大きく影響するためある程度の熟練を要するが、今後さらに検討を加えることで詳細試験法のひとつとして発展できると期待される。
|