研究課題/領域番号 |
15590120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 研究員 (50132882)
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研究分担者 |
中村 亮介 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 主任研究官 (50333357)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イヌマスト細胞 / 高親和性IgG受容体 / 脱顆粒 / cDNA / イヌIgG / サブスタンスP / 環境化学物質 / ヒトIgG / カルシウム応答 / タンパク質チロシンリン酸化 |
研究概要 |
平成15〜17年度の肥満細胞の高親和性IgG受容体を介する情報伝達系への環境化学物質の影響から、下記の知見が得られた。 (1)イヌ皮下組織より由来したマスト細胞腫由来培養マスト(CM-MC)細胞を用いたフローサイトメトリー分析から、イヌIgG/FITC-抗イヌIgG抗体の結合によりコントロールと比べ、約64倍細胞表面蛍光が強められた。また、FITC-ヒトIgG抗体の結合も,イヌIgG/FITC-抗イヌIgG抗体の場合と同様に認められた。 (2)ヒスタミン遊離実験では、IgG感作濃度(至適濃度10μg/ml)、抗IgG抗体刺激濃度(至適濃度10μg/ml)、細胞外カルシウム濃度(至適濃度1mM)依存性を示し、反応時間は、5分で70%程度、30分で、ほぼ最大の応答を示した。 (3)CM-MC細胞のmRNAのRT-PCR analysisでは、ヒト、マウス、ウシのFcγRIの配列から予想される分子量のDNA断片を得、FcγRI遺伝子の全塩基配列を決定した。 (4)CM-MC細胞のFcγRI受容体α鎖のcDNAを導入したCos-7細胞を作成したところ、単量体イヌIgGの細胞受容体への結合を確認することができた。 (5)CM-MC細胞の活性化を研究する過程において、塩基性ペプチドSubstance P及び補体ペプチドC5aが本細胞の細胞内カルシウム濃度上昇を促しヒスタミン遊離能を有することが判明した。Substance Pや補体の活性化と、FcγRIを介する活性化は作用機構が異なり、両者が、互いに影響を及ぼしうることが示された。 以上、肥満細胞の高親和性IgG受容体を介する情報伝達系への環境化学物質の影響を調べるのにイヌ培養マスト細胞を用いることが有用であることが示され、Substance Pや補体の活性化を促す環境化学物質が、'FcγRIを介する情報伝達に影響を及ぼしうる可能性が示唆された。
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