研究課題/領域番号 |
15590126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
橋本 征也 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90228429)
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研究分担者 |
合葉 哲也 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00231754)
田口 雅登 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20324056)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 腎障害 / バイオアベイラビリティ / 肝代謝 / P450 / 小腸吸収速度 / 初回通過効果 / プロプラノロール / 薬物吸収 / CYP3A / CYP2D / 小腸 |
研究概要 |
腎不全患者に対してβ遮断薬プロプラノロールを経口投与すると、薬物血中濃度(AUC)が健常者の7〜8倍に増大する事が1970年代に報告された。その後の研究によって腎疾患時の薬物血中濃度の上昇は経口投与時のバイオアベイラビリティの上昇(肝臓における初回通過効果の低下)に起因する事が明らかにされているが、その詳細なメカニズムは不明であった。本研究では、腎機能低下時における肝代謝型薬剤のバイオアベイラビリティ変動機構を解明するため、数種類の腎障害モデルラットを用いて検討した。その結果、シスプラチン誘発腎障害モデルでは「小腸における薬物吸収速度の増加によって、肝初回通過代謝に飽和性がある薬剤のバイオアベイラビリティが上昇する。」との知見を得た。しかし、尿管結紮腎障害モデルの場合は、「小腸吸収速度の上昇は認められず、肝サイトゾル画分のNADPH生成速度の低下に起因する肝クリアランスの低下によって、バイオアベイラビリティが上昇する。」事が示唆された。一方、小腸と肝臓の薬物代謝機能を評価するため、各種腎障害モデルラットを用いて組織中のCYP3A分子種のタンパク発現量と薬物代謝活性の変動性を評価した。その結果、a)腎障害時の肝CYP発現量の変動は、一様でなく限られた分子種の活性が低下する事、b)肝CYP活性の低下は腎障害の発症機序によって異なる事、およびc)小腸と肝臓におけるCYP3A代謝活性は必ずしも相関しない事を見出した。さらに、小腸薬物吸収速度について記述可能な速度論モデルを構築するため、Caco-2細胞を用いた薬物輸送・代謝実験系を確立した。本研究の成果は、腎障害時における肝代謝型薬剤のバイオアベイラビリティ変動機構の解明に繋がるものと考えられる。
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