研究課題/領域番号 |
15590138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森田 邦彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80327717)
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研究分担者 |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
浅野 浩一郎 慶應義塾大学・医学部 (60192944)
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30129712)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | シスタチンC / クレアチニンクリアランス / 塩酸バンコマイシン / テイコプラニン / カルボプラチン / 腎排泄型薬物 / 投与設計 / 医薬品適正使用 / 血清クレアチニン / メトトレキサート / 血清尿素窒素 / 腎機能 / 薬物血中濃度モニタリング / バンコマイシン |
研究概要 |
従来、腎機能の評価は血清クレアチニン(Scr)値やクレアチニンクリアランス(Ccr)値が汎用され、例えば塩酸バンコマイシン(VCM)やカルボプラチンの用量設定に用いられている。しかし、Ccr値の実測は煩雑であるほか、Scr値は筋肉量の多少によって大きく変動し、これに基づいて算出される予測Ccr値は必ずしも腎機能を正確には反映せず、上記の各種薬剤の投与設計を誤らせる恐れが指摘されている。一方、全身の有核細胞から産生される塩基性低分子タンパク質である血清中のシスタチンC(Cys C)濃度が腎機能の新しいマーカーとして注目され、臨床検査領域では腎障害の指標としての応用が具体化し始めている。しかし、Cys Cを薬物の投与設計に応用する動きは未だみられていない。本研究では医薬品適正使用の観点から、血清Cys C濃度を指標とした新しい投与設計法の構築を試みた。 VCMおよびテイコプラニン(TEIC)の血中濃度モニタリング(TDM)用血清検体のうち、ScrやBUNが把握できた114症例由来の359検体を対象とし、ネフェロメトリー法にてCys C濃度を測定し、VCMおよびTEICのクリアランス(CL)との相関性を解析した。その結果、Cys C値は両薬剤のCLと良好な相関性を示し、Ccr値よりも精度良く両薬剤のCLを反映することが示された。Ccr値に基づくMatzkeらのVCM投与間隔設定用ノモグラムにCys C値を当てはめることで実際のVCM投与症例に対する投与設計を試みたところ、この改良ノモグラムの有用性が示唆された。抗がん剤であるカルボプラチンのCL(白金としてのCL)とCys C値との相関性を解析した結果、先述のVCMやTEICの場合と同様に、白金のCLとCys C値との間には予測Ccr値よりも高い相関性が認められ、Cys C値に基づいたカルボプラチンの投与設計の可能性が示唆された。
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