研究課題/領域番号 |
15590140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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研究分担者 |
富田 幹雄 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60207610)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Tight Junction / P-glyco@rotein / 吸収改善 / 末梢血リンパ球 / 感染症 / 虚血再灌流 / 炎症性腸疾患 / 遺伝子診断 / 腸管吸収 / P-glycoprotein / 末梢リンパ球 / 小腸虚血再灌流 / 免疫抑制剤 / 吸収部位差 / トランスポーター / mdr1a mRNAレベル / P-Glycoprotein / 膜抵抗 |
研究概要 |
吸収改善薬として酒石酸(TA)およびピロチオデカン(PTD)を用いて、ラット、ラビット腸管に対する作用を検討した。5mMおよび10mMを用いたD-TAのラット結腸に対する作用は、In Vitro拡散チャンバーによる検討から、pH7.4の生理的条件下に於いては、TJへの影響は見出されなかった。低pH条件下においてはTAの濃度依存的に膜抵抗値(Rm)の低下が示され、TJ開口にアシドーシスの関与が示された。一方、P-gp機能に対する影響を検討したところ、Rhodamine123の分泌クリアランスがTAの濃度依存的に減少したことからTAによるP-gp機能抑制が示された。in vivoにおいても検討を加えたところ、同様にTAによるP-gpの機能低下が見出され、回腸において顕著であった。 PTDに関しては、ウサギ腸管各部位のP-gp機能阻害効果をRhodamine123分泌クリアランスから評価し、同時にRmの測定も行った。その結果、結腸および直腸においては0.01%あるいは0.05%のPTDにより膜抵抗値の減少が見られるものの、Rhodamine123の分泌クリアランスが減少したことから、TJの開口以上にP-gp機能の低下が示された。それ以上の濃度においては、逆にRhodamine123の分泌クリアランスに上昇が見られ、この結果はTJ開口によるものであると考えられた。これに対して、空腸および回腸部では、TJの開口を伴わずにP-gp機能のみが低下することが示され、その現象は回腸部において著しく観察された。このようにPTDの作用には、部位特異的および濃度特異的な作用が認められ、選択的薬物吸収改善の可能性が示された。 腸管吸収性および体内動態を遺伝子診断から予測するシステム開発に関しては、感染症モデルラットを作成し、正常ラットとの比較を行った。回腸P-gpのタンパク発現レベルは正常時に比較して低く、それを反映してRhodamine123の吸収は増大した。別途P-gpをコードするmdr-1aの回腸mRNAレベルを測定したところ、回腸におけるmdr1a mRNAレベルとRhodamine123の吸収動態に非常に高い相関が見出され、さらには末梢血リンパ球のmdr1a発現レベルから吸収動態予測の可能性も示された。 以上の結果を基に、吸収改善とその予測システムの開発研究はさらに発展することが期待される。
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