研究課題/領域番号 |
15590145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 就実大学 (2004) 摂南大学 (2003) |
研究代表者 |
坂根 稔康 就実大学, 薬学部, 助教授 (50215638)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 鼻腔内投与 / ペプチド / 脳脊髄液 / 脳内送達 / 老人痴呆 |
研究概要 |
実験方法としてマイクロダイアリシスを、生体内非分解性のモデル高分子としてHTC-Dextran (FD)を利用して、検討した。まず、移行経路の詳細を検討するためにendocytosis阻害剤を併用した。endocytosis阻害剤の併用により、FDのprobe回収率が若干低下する傾向が認められたが、非併用時と大きな相違は観察されず、高分子物質においても、その脳移行に対する神経細胞内軸索輸送の寄与は小さいことが示唆された。次に、分子量の異なるFDを用いて、分子量と脳への移行性との関係を検討した。その結果、FDの定量感度の範囲内において、分子量約50kDaまでのFDがプローブ流出液に回収された。ペプチドについては、分解による移行性の低下が予想されるため、分子量10kDa程度以下のペプチドを対象とするべきであることが示唆された。次に、サイズの小さいオリゴペプチド(ENK)を用いて、その鼻粘膜透過性および分解と脳脊髄液(CSF)への移行性との関係を検討した。静脈内投与後、CSF中のENK濃度は定量限界以下の濃度であったが、鼻腔内投与後にはCSF中に検出することができた。しかし、その濃度は他の低分子薬物と比較すると、ENKの分子量から予想される濃度よりも小さかった。吸収促進剤の併用は、CSFへの移行性よりも血液への吸収性を顕著に増大させた。一方、タンパク分解酵素阻害剤を併用した場合、血液中へ吸収およびCSFへの移行性の双方が増大したが、CSFへの移行性の増大がより顕著であり、タンパク分解酵素阻害剤の利用が有効であることが示された。モデルペプチドの選択を次に行った。その結果、insulin, insulin-like growth factorなどが候補となった。現在、免疫測定系の開発を行っており、測定系が完成すれば同様の動態試験を行う予定である。
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