研究課題/領域番号 |
15590156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井関 尚一 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50167251)
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研究分担者 |
若山 友彦 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70305100)
HIPKAEO Wiphawi 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (70345627)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 顎下腺 / 発生と分化 / シグナル伝達 / 転写因子 / 遺伝子発現 / 分泌 / アンドロゲン / レクチン / 舌下腺 / 分化 / テストステロン / 動物レクチン / ステロイドホルモン / 導管 / CREB / AP-1 / Jun / menin |
研究概要 |
齧歯類の顎下腺の分化におけるシグナル伝達について研究し、次の結果を得た。1)マウス顎下腺において、転写因子であるJunDの核内発現が導管系に局在し、雄より雌マウスで高いこと、雌マウスへのテストステロン投与により線状部導管細胞が顆粒性導管細胞へ分化する際にJunD発現が一過性に上昇した後に消失することから、導管系の分化にJunDが関与することがわかった(論文1)。2)JunDに結合してその転写誘導活性を調節するとされる核内蛋白質であるメニンのマウス顎下腺における発現のパターンがJunDの発現パターンと一致し、JunDとメニンの結合体がアンドロゲンによる顎下腺分化機構に関与することが示唆された(論文準備中)。3)腺房細胞における蛋白分解酵素阻害物質であるシスタチンS(CysS)の発現は、イソプロテレノール(IPR)の投与により誘導されるが、下垂体切除ラットの顎下腺ではIPRによるCysSの発現誘導が著明に低下していること、これにテストステロン、エストロゲンなどのステロイドホルモンを投与すると誘導が著明に回復することが分かり、腺房の分化が神経と下垂体の2重支配を受けることがわかった(論文2)。これらの研究結果から、齧歯類の顎下腺の分化においてアンドロゲンその他の因子による様々な細胞内シグナル伝達系の相互関係(クロストーク)が関与することが示唆された。4)ラット舌下腺のみに特異的に発現する動物レクチンをクローニングし、SLAMP(舌下腺腺房膜蛋白質)と名付けた。免疫抗体を作成してラット舌下腺を調べたところ、腺房細胞の粗面小胞体とゴルジ装置の中間領域(ERGIC)の膜に局在することがわかり、SLAMPが舌下腺腺房細胞によるムチンなどの糖蛋白質の初期分泌過程に関与していることが示唆された(論文3)。
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