研究課題/領域番号 |
15590170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60255122)
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研究分担者 |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80207795)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 心臓発生 / 心内膜床 / TBX20 / ニワトリ胚 / 心房発生 / TBX |
研究概要 |
TBX20の全長をクローニングし、心臓発生過程での発現時期と場所の詳細を調べるためにin situハイブリダイゼーションを行った。その結果、TBX20が胚心臓の前後軸に沿った部域特異的な発現パターンを示すことが明らかになった。心臓で発現する別のTBX遺伝子群であるTBX2、-5と発現パターンを比較したところ、TBX遺伝子群は心臓発生過程で時間的・空間的に異なって発現することが明らかになった。また、胚発生過程を通してTBX20はおもに中胚葉、外胚葉に由来する組織で発現した。さらに、この実験の過程でTBX20のほかTBX2、-5が心房の発生段階に応じて部位特異的に発現することを見いだした。これらの結果から、TBX遺伝子群の発現の組み合わせが心房の部域化に関係している可能性が推測された。 房室管領域でのTBX20の役割を明らかにするため、TBX20の機能阻害実験を試みた。ドミナントネガティブタイプのTBX20(TBX20-engrailed2)を作製し、この心内膜床領域の器官培養系で強制発現させてTBX20の機能阻害をおこなった。しかし、阻害効果は見られず、心内皮細胞は間葉細胞に形質転換した。この原因として心筋細胞との共培養による心内皮細胞への遺伝子導入効率の低下が考えられた。そこで心筋の代替物として心筋と同様の生理活性をもつ心筋培養上清を作製し、心筋を除去後に心内皮細胞にTBX20-engrailed2の導入を行った後、この心筋培養上清を加えて培養した。TBX20の機能の正確な評価にはより詳細な機能阻害実験を行う必要性があると考えているが、TBX20-engrailed2の実験によって心内皮細胞の形質転換が抑制された。これらの結果から、TBX20が心内膜床形成過程で起こる心内皮細胞の形質転換に関与している可能性が推測された。
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