研究課題/領域番号 |
15590174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
王 慶平 昭和大, 医学部, 助手 (10245821)
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研究分担者 |
大滝 博和 昭和大学, 医学部, 助手 (20349062)
中里 雅光 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10180267)
舟橋 久幸 昭和大学, 医学部, 講師 (20317514)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | グレリン / 腸管増殖 / 胃 / 腹内側核破壊 / ラット |
研究概要 |
グレリンは、1999年、成長ホルモン(GH)分泌刺激物質受容体(GHS-R)の内因性リガンドとしてラット胃から発見された新規のペプチドである。脳内の満腹中枢である視床下部の腹内側核(VMH)破壊により胃壁、腸管壁ならびに膵臓の内分泌部の増殖がおきる。しかもグレリンは脳内の食欲中枢にも存在しているので、VMH破壊後の胃体部の壁の形態変化の詳細とグレリン産生能との関係を形態学的にしらべた。 VMH破壊3日後の個体では、胃粘膜全層の細胞配列は対照群と比較して密集してみられるようになり、7日後では対照群と同じような上皮細胞の分布密度を示した。また、VMH破壊3日後の個体では、胃底腺の頚部から底部にかけてみられる内分泌細胞にグレリン免疫陽性反応が顕著に増加してみられたが、7日後ではその数と染色性は減少した。さらにVMH破壊3日後の個体では、胃底腺の頚部の粘膜上皮細胞にKi-67の発現が著明に増加してみられたが、VMH破壊7日後ではその発現細胞数が減少する傾向がみられた。また、胃壁のグレリンmRNAの遺伝子発現は、VMH破壊3日後では対照群に比べて有意に増加したが、7日後では正常の個体と同様になった。 以上の実験・観察結果から、VMH破壊によって生じる胃粘膜上皮細胞の増殖に一致して胃粘膜のグレリン合成・分泌がおきることから、グレリンは胃粘膜上皮細胞の増殖に重要な役割を果たしている可能性が示唆される。またVMH破壊後の腸管上皮細胞の増殖にグレリンが直接あるいは間接的に作用しているか否かを明らかにする必要がある。さらに他の未知の腸管粘膜上皮細胞の増殖・再生に関与する因子の存在についてもひきつづき検索する必要がある。
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