研究課題/領域番号 |
15590178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長野 護 近畿大学, 医学部, 講師 (80155960)
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研究分担者 |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
藤岡 厚子 近畿大学, 医学部, 助教授 (30077664)
足立 明人 (足達 明人) 近畿大学, 医学部, 助手 (20351588)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 視交叉上核 / 概日リズム / in situ hybridization / Id2遺伝子 / HSP遺伝子 / 光同調 / 体内時計 / Id2 遺伝子 |
研究概要 |
我々は、Gene Chipでマウス視交叉上核において著明な振動を示した遺伝子について、in situ hybridizationを行い、実際、視交叉上核に明瞭なリズムを示す遺伝子を同定した。このうち、Id2、Dexras1、Hspa5遺伝子などの概日リズム制御機構への関与について検討を行った。その結果、Id2遺伝子がBmal1とClockによるPer1遺伝子の転写に対して抑制的に働くことを明らかにした。また、Id2ノックアウトマウスの行動解析により、Id2が位相の後退に関与する所見を得た。次に、Dexras1やHspa5遺伝子発現は、夜間に高く、主に視交叉上核の背内側部に認められた。そこで、これらの遺伝子は、概日周期の主観的夜における他の遺伝子の転写やタンパク発現などに関わり、概日リズムにおいて夜間の形成に関与する可能性が考えられた。 また、我々は、時差ボケにおいて環境の時計と体内時計がずれを生じる仕組みを明らかにした。すなわち、体内時計の中枢である視交叉上核に、光によって迅速に位相を変化させる領域と、すぐには同調できない領域が存在する。そして、急激な明暗サイクルのシフトに伴って、この2領域の脱同調がおこり、再同調するまでに時間を要することが時差ボケの原因であると提示した。これにより視交叉上核に2つの機能領域(二振動体)が存在することが明らかになった。また、ラットを用いて体内時計の光による同調の時期についてin situ hybridization法で解析した結果、網膜からの投射が存在する細胞群が明期の始めと終わりの光刺激により、時計遺伝子の発現が誘導されることを明らかにした。 現在、上記の遺伝子の光同調への関与について、これら遺伝子の光同調時期における視交叉上核の2つの機能領域での遺伝子及びタンパクの経時的発現、さらに時間依存的な反応の解析を進めている。
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