研究課題
基盤研究(C)
膵導管細胞の陰イオンコンダクタンスは、主として管腔側膜に発現しているCFTR陰イオンチャネルによって形成されている。本研究では、主にパッチクランプ法を用いてCFTRイオンチャネルに対する脂溶性物質の影響を調べた。芳香族カルボン酸などの負電荷を持つ小分子量の比較的弱い脂溶性の薬剤は、CFTRチャネルのシングルチャネルコンダクタンスの低下と同時に開口確率の増加を引き起こしたが、電荷を持たない小分子量の脂溶性薬剤は、シングルチャネルコンダクタンスの低下を起こさず、開口確率の増加のみを引き起こした。本研究によりシングルチャネルコンダクタンスの低下は、薬剤がチャネルポア内部にある結合サイトに結合することによって起こり、一方、開口確率の増加は細胞内ドメインのある部位に薬剤が直接結合することによって起こされることが明らかになった。また本研究では、コレステロールの形質膜含有量変化がCFTRチャネルのATP依存性ゲーティングに大きな影響を与えることが明らかになった。この現象については、CFTRチャネルのATP依存性ゲーティング機構についての研究結果から、CFTRチャネルの開閉に伴った膜貫通ドメインの構造的変化に対する機械的抗力がATPの加水分解速度に影響を与えている可能性が示唆された。以上、本研究によってCFTRチャネルに対する脂溶性物質の影響は"脂溶性"という共通した性質のみではなく、それぞれの物質に特有の性質によって大きく異なることが明らかになり、脂質代謝を介した複雑なCFTRチャネルの制御システムの存在が示唆された。また、CFTRチャネル分子について数多くの分子生理学的に重要な知見も得られた。さらに、本研究の次の展開へとつながるBK_<Ca>チャネルのゲーティングおよび末梢組織に発現しているGABA_Aチャネルについての基礎的研究も平行して行なった。
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