研究課題/領域番号 |
15590205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 福井大学 (2004-2005) 福井大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
村田 拓也 福井大学, 医学部, 助教授 (70281186)
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研究分担者 |
成田 和巳 福井大学, 医学部, 助手 (80270958)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | オキシトシン / エストロゲン / ラット / 視床下部 / 摂食 / 行動 / オレキシン |
研究概要 |
オキシトシンは、視床下部室傍核および視索上核で産生され、下垂体後葉まで運ばれ分泌されるホルモンであるが、一方、オキシトシンは脳内にも放出され、種々の作用を誘起することが報告されている。本研究では、このオキシトシンの摂食と自発運動に関わる中枢作用について検討した。まず、Wistar系雄ラットにおいて、摂食を促進する因子であるニューロペプチドY(NPY)とアグーチ関連蛋白(AgRP)の作用に対するオキシトシンの効果について検討した。雄ラットの脳室に留置したカニューラにより、オキシトシン脳室内投与30分後にNPYあるいはAgRPを脳室内投与し、明期の摂食量の変化を1時間および2時間測定した。その結果、NPYおよびAgRPにより促進された摂食は、オキシトシン投与では有意な変化を示さなかった。しかし、オキシトシンを投与しvehicleを投与した群において、摂食は有意に抑制された。次に、オキシトシンの雄および雌ラットの行動量に及ぼす効果について検討した。オキシトシンをWistar系雄ラットの視床下部腹内側核(VMH)に投与すると、回転ケージでの行動量が増加した。卵巣を摘出したWistar系雌ラットにおいてもオキシトシンのVMH投与により同様に行動量の増加が観察され、さらに、卵巣ステロイドホルモンであるエストロゲンによりこのオキシトシン作用は増強された。卵巣摘出雌ラットにエストロゲンを投与すると、3時間後には変化がなかったが、24時間後に有意にVMHのOTRmRNA量が増加した。また、血中エストロゲン濃度が上昇する発情前期には非発情期と比べてVMHのOTRmRNA量が有意に上昇した。この上昇は子宮OTRmRNA量の変化と比べると小さく、かつ増加する時間が限定されていた。 以上のことより、脳内のオキシトシンは、摂食および自発運動の調節に関与していることが示唆された。さらに、雌ラットの自発運動におけるオキシトシン作用は、エストロゲンによりOTRの発現が増加され、このことにより増強されることが示唆された。また、VMHのOTR発現は、子宮とVMHでのOTR調節メカニズムは量および時間において異なっており、異なった修飾を受けていると考えられた。
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