研究概要 |
この研究はβ_アドレナリン作用薬と受容体との相互作用部位の三次元構造解析をNMRを用いて解析することにある。コンピュータモデリング解析により新規化合物(SWR-0342SA)のβ受容体との結合部位のアミノ酸残基を決定した。この化合物とβ_1受容体との結合部位はAsp104とLeu335であり、またβ_3受容体においてはAsp117,Ser209,Leu303,Ser192であった。また、合成した化合物の親和性評価をおこなった。また、β1ARと作用薬との相互作用部位の三次元構造解析をNMRを用いて解析をおこなった。β_1-ARの3番目のTMDペプチドのアミノ酸配列は、KKKELWTSVDVLAVTASIETALAVIALDRYLAKKである。このペプチドは、液体クロマトグラフィーで74%以上の純度を持つ合成品として、Sigma Genosys社から購入した。質量分析により、精製ペプチドの同定が行った。その結果、精製ペプチドは、ジメチルスルホキシドに溶解させ、NMRサンプルとした。日本電子社製ECA-500を用いて、1次元及び2次元NMR測定が行った。1次元^1H-NMRはpresaturation法で測定し、また一方2次元-NMRでは、DQFCOSY,NOESY,ROESY,HMQC,HMBC測定を行った。^1H-NMR測定は、観測中心:5,8ppm、観測幅:12ppmで行った。一方、2次元-NMRでは、DQFCOSY,ROESY,HMQC,HMBC測定が行われた。^<13>C-NMR測定も同様に、観測中心:95ppm、観測幅:200ppmで行われた。NOESY測定のミキシングタイムは、1.872secであった。初めに、bopindolol(β遮断薬)とβ_1-ARの3番目のTMDペプチドをそれぞれ別々にNMR測定を行った。最後に、bopindololとβ_1-ARの3番目のTMDペプチドの混合物のNMR測定を行なう予定である。bopindolo/との非混合及び混合物のNMR測定から、β_1-ARの3番目のTMDペプチドn立体構造を解明することができると考えられる。今後、この点をさらに研究していく予定である。
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