研究課題
基盤研究(C)
我々はCOS7およびSAOS-2細胞を用いた発現実験から、転写因子であるE2F-1がユビキチン系によるp73の分解を誘導するとともに、p73の転写活性化能を顕著に阻害することを見い出したが、この現象はH1299,U2OS,H4およびA549細胞においても認められた。転写活性化ドメインを欠失した変異体E2F-1(1-414)を用いた実験から、E2F-1によるp73の分解誘導にはE2F-1の転写活性化能が必須である可能性が示唆された。また、我々はHECTドメインを持つ新規ユビキチンリガーゼであるNEDL2が、p73のPYモチーフを標的として結合し、p73のユビキチン化を促進することを見い出した。興味深いことに、NEDL2はp73の半減期を延長させるとともに、その転写活性化能を昂進させることが判明した。従って、p73のユビキチン化は必ずしも分解シグナルとして機能するのみならず、安定化のシグナルとしても機能しうることが示唆された。さらに、酵母のtwo-hybrid法によってp73結合蛋白質として同定されたRanBPMがp73のカルボキシ末端領域に結合することによって、そのユビキチン化を阻害し半減期を延長させることが明らかになった。従って、RanBPMとの結合によってマスクされるp73のカルボキシ末端領域に存在するリシン残基が、ユビキチン化の標的である可能性が示唆された。加えて、我々はU-box型E3/E4ユビキチンリガーゼであるUFD2aがp73との結合を介して、プロテアソーム依存性のp73の分解を促進することを明らかにした。UFD2aによるp73の分解においてはユビキチン化の誘導は検出されなかった。従って、p73の安定性はユビキチン依存性およびUFD2aによるユビキチン非依存性の蛋白質分解システムによる制御を受けている可能性が示唆された。
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