研究課題/領域番号 |
15590272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町出 充 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90346198)
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研究分担者 |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 組織傷害 / HGF / c-Met / 細胞間接着 / チロシンフォスファターゼ / 酸化ストレス / アミノ酸 / HGF(肝細胞増殖因子) / 組織恒常性 / juxtamembrane領域 / protein kinase C / チロシンキナーゼ / ストレス / 発癌 |
研究概要 |
当企画では組織が傷害と健常状態を察知するメカニズムについて、生体の内因性修復因子であるHGFの作用発現にたいする制御機構について解析し、以下の1〜4の成果に達した。 1,(1)HGFによるラット初代培養肝細胞の細胞増殖は低細胞密度において誘導され、高細胞密度ではおこらない。この状態を健常な肝臓のモデルとして、その分子機構について解析を行った。その結果としてHGF受容体であるc-Metの自己チロシンリン酸化がHGF刺激後、細胞密度依存的に抑制されることを明らかにした。(2)過酸化水素による酸化ストレスにさらされた細胞では傷害修復と変異の継代阻止のため細胞増殖が停止することが知られていたが、このストレスによりc-Met上の985番目のセリン残基(Ser985)にリン酸化修飾がおこり、c-Metの活性化が抑制されることを明らかにした。(3)アミノ酸のプロリンを欠いた栄養培地中の初代培養肝細胞をHGFで刺激すると、c-Metの活性化とその直下のシグナル伝達分子の活性化は正常に起こるにもかかわらず細胞増殖が起こらないことをみいだした。 2,上記1(1)〜(3)それぞれの分子機構として、(1)細胞密度に依存してチロシンフォスファターゼLARが発現し、c-Metを脱リン酸化する。(2)酸化ストレスによりPKCが活性化しc-MetのSer985をリン酸化するとともにその部位の脱リン酸化酵素であるPP2Aが失活する。(3)プロリンが欠乏すると細胞周期の進行に必要なCDK4の発現が抑制される、以上について解明した。 3,生体内の健常な肝臓ではc-MetのSer985がリン酸化されさらにチロシンフォスファターゼの活性を介してc-Metの活性化が抑制されているが、部分肝切除や肝炎モデル動物においてこれらの抑制機構が解除されていることを解明した。 4,Ser985を含む領域を欠損したc-Metのトランスジェニックマウス作製のためのES細胞を作製した。
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