研究課題/領域番号 |
15590284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
雨宮 三千代 (財)冲中記念成人病研究所, 研究員 (00288101)
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研究分担者 |
村勢 敏郎 (財)冲中記念成人病研究所, 所長 (60107612)
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科・内分泌代謝・糖尿病内科, 講師 (20251241)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 糖尿病 / SREBP / インスリン / 転写 / 脂肪毒性 / 脂質代謝 |
研究概要 |
ステロール応答配列結合タンパク(SREBP-1c)は、肝臓で脂質合成を制御する包括的転写因子である。SREBP-1cは食餌(グルコースの変化)で発現が誘導され、脂肪酸合成系酵素の遺伝子を活性化する。我々は糖で誘導されるSREBPの標的遺伝子を探索している中で、膵臓のインスリンプロモーター上にもSREBPが認識するシス配列の存在を発見した。 ラットインスリンプロモーターIは、転写開始点上流-715bpにSREBPの認識配列が3箇所あり(SRE1、SRE2、SRE3)、この内、SRE1およびSRE2配列は、膵β細胞特異的インスリン転写因子(BETA2/E47)が結合するE-boxと一部重複していた。 非β細胞(HepG2)にラットインスリンプロモーターのルシフェラーゼプラスミドとSREBPの発現プラスミドを遺伝子導入し、転写活性を比較したところ、SREBPは単独で活性化し、トランスアクチベーターとして機能した。DNA結合部位の同定では、SRE配列とE-boxは重複しているにも関わらず、SRE1、SRE2配列に特異的に結合した。 PDX1/BETA2/E47とSREBPの相互作用の解析では、SREBP-1cはBETA2/E47とタンパク-タンパク結合を介して、強力な相乗活性を惹起し、コアクチベーターとして機能したが、PDX1存在下では、相乗活性も、SREBP-1cの単独活性も共に抑制された。 膵β細胞にSREBP-1cを発現させると、活性の程度は小さく、高発現ではむしろ抑制された。しかし、PDX1やBETA2/E47のシス配列を変異させると、SREBP-1cは濃度依存的に活性化した。 以上の結果から、SREBP-1cは膵β細胞の生理的・病態的状況に応じて内因性のPDX1/BETA2/E47と相互作用し、インスリン遺伝子の転写を調節していると考えられる。
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