研究課題/領域番号 |
15590340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高桑 徹也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40244933)
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研究分担者 |
青笹 克之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30115985)
中塚 伸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90303940)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Epstein-Barr virus / integration / lymphoma / Raji / lymphoblastoid cell line / Rel / Bcl-11A / Bach2 |
研究概要 |
EBVはバーキットリンパ腫から単離された170kbの二重鎖DNAウイルスである。Rajiはバーキットリンパ腫から1963年に樹立され、世界中の研究室で広く使われている細胞株のひとつである。50-60copy/cellのEBVゲノムを持ち、一部はintegrationしている。inverse-PCR法を用いてウイルス組み込み部位をcloningした。BamHI-W, BamHI-D fragment上に組み込み部位は存在した。Host genomeとBamHI-Wとは組み込み部位において高いhomologyを示した。Chromosome 6q上にあるB-cellのdifferentiationに関与する遺伝子Bach2のintronにEBVの組み込み部位は存在した。Rajiにおいて同遺伝子の発現は認められなかった。同遺伝子は癌抑制遺伝子である可能性を示す報告もあり、RajiにおいてはEBVの同部位への組み込みが発がんに関与した可能性も考えられる。実際に9例のBurkitt lymphoma-cell line,174例の臨床例を用いてBACH2の発現を調べた。Bach2はfollicular center lymphomaに高頻度に発現を認めMALTでは頻度は低かった。 (IB4)はKieff Eによって樹立されたlymphoblastoid cell lineであり、latent geneの解析にしばしば用いられる。IB4は4-5 copy/cellのEBVゲノムがhost genomeにintegrationしていると考えられている。われわれは、inverse-PCR法を用いてウイルス組み込み部位をdoningした。組み込み部位はoriP近傍のBamHI-C fragment, EcoRI-I fragment上に存在し、相同性は低かった。組み込み部位はchromosome 4q25に存在し、お互いに約6.5kbp離れていた。同部位は100kbp以上にわたりrepetitive sequenceが存在するが構造遺伝子は存在しなかった。 NAB-2はNorth American Burkitt tumorから樹立されたcell lineで1copy/cellのEBVがゲノムintegrationしている。CloningしたところEBVはREL, BCL11Aという発癌遺伝子のごく近傍にintegrationを認めた。REL, BCL11Aの発現は他のBurrkitt lymphomacell lineに比べて有意に上昇していた。OPL-2は膿胸関連リンパ腫(PAL)由来の細胞株である。同cell lineの由来する症例は急激な経過をたどり死亡した。本例のEBVはBamHI-U fragment上に組込み部位を認めた。
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