研究課題
基盤研究(C)
ヒト間葉系幹細胞のペレット培養系において、TGF-βおよびBMP-6処理、さらに超音波刺激の軟骨分化に対する影響を検討した。TGF-β処理によりペレットの軟骨分化誘導が観察されたがBMP-6単独では細胞は分化誘導されなかった。超音波刺激はTGF-β処理したペレットの軟骨分化を促進したが未処理群に対しては効果を示さなかった。BMP-6は軟骨分化したペレットを増大させた。この結果からTGF-β処理は軟骨分化誘導に必須でありその作用を超音波が促進する一方、BMP-6は軟骨分化誘導後のペレットを増大させる働きがあることが示唆された。TGF-βおよびBMP-6に対するグリコサミノグリカンの結合性に関して検討したところ、一定の構造を持つコンドロイチン硫酸鎖がBMP-6と結合することがわかった。軟骨系細胞株N1511を用いて軟骨分化初期段階の同プロテオグリカンの役割を検討した。その結果、分化初期のバーシカン/PG-Mの発現はその後のアグリカンの転写に不可欠であり、その作用は細胞外マトリックスに沈着した同分子のコンドロイチン硫酸鎖によるものであることがわかった。現在、上記の間葉系細胞の軟骨分化過程におけるバーシカン/PG-Mの発現パターンとその役割に関しては検討中である。バーシカン/PG-Mは軟骨分化の初期のみならず持続的に発現し、特に関節軟骨表面にヒアルロン酸、リンクタンパク質と共存することがわかった。軟骨組織の生化学的に検索したところ、軟骨にはバーシカンの会合体も存在することが明らかとなった。軟骨にはアグリカン会合体、バーシカン会合体の2種類が存在し、アグリカンが成長軟骨および関節軟骨の深層に存在するのに対して、バーシカン会合体は関節表面に局在してshear forceに対する抵抗性を与えているものと考えられた。
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