研究課題/領域番号 |
15590358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
赤城 剛 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子腫瘍学部門, 研究副部長 (90184077)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒト正常上皮細胞 / レトロウイルスベクター / 不死化 / 癌化 / テロメラーゼ / ヒト正常表皮角化細胞 / ヒト正常上皮角化細胞 |
研究概要 |
1.ヒト正常上皮性細胞へのレトロウイルスベクターを用い高効率遺伝子導入法の確立 低カルシウム無血清の合成培地EpiLife (Cascade社)を用い、インキュベーター内の酸素濃度を通常の20%から体内とほぼ同じ3%以内に低下させると、継代に伴うヒト正常上皮性細胞の増殖停止が有意に抑制され、我々の開発したマウス白血病ウイルスをベースとしたレトロウイルスベクターシステムを使うことによって非常に高い効率(70-80%)で遺伝子導入できることが分かった。この様な条件により正常ヒト表皮角化細胞ならびに正常ヒト気管支上皮細胞にエコトロピックレトロウイルスに対するレセプター遺伝子を導入した。この様にして得られた細胞は、本来、宿主域が齧歯類に限られたエコトロピックレトロウイルスに対して高い感受性を持ち、遺伝子導入効率の観点からも、またバイオハザードの観点からも極めて優れたシステムができた。 2.ヒト正常上皮性細胞への癌遺伝子の導入 上記のシステムを用いて、テロメラーゼの触媒サブユニットとCdk4および変異型p53を組み合わせて導入することによって正常ヒト表皮角化細胞を不死化させることに成功した。この細胞は不死化はしているが、血清やカルシウムの刺激によって正常細胞と同様に分化する能力を保持していることが確認された。この細胞にさらに、活性型のRasを導入したが、細胞内に多くの空砲をもつ変性細胞が多数出現し、やがてそれらの細胞は死んでいった。また、多くの上皮性の癌細胞で活性化が報告されているβ-cateninのN末を欠いた恒常的活性型変異体を導入した場合には、細胞の形態には大きな変化はなかったが、増殖は抑制された。この様に、活性型のRasやβ-cateninの導入では、この不死化ヒト表皮角化細胞を癌化させることはできなかった。
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