研究課題
基盤研究(C)
1 感染幼虫の宿主侵入後の変化ヴェネズエラ糞線虫の感染幼虫はマトリックスメタロプロテアーゼ活性を持つが、マウスに侵入して経皮感染能力を失うとともに、プロテアーゼ活性も消失することがわかった。また、感染幼虫から結合組織幼虫へ変化するにつれ、運動能力に大きな変化があらわれた。これらの変化をもたらす因子を調べるために感染幼虫を無血清培地で37℃、3日間培養したところ、すべてのパラメータで培養虫体は結合組織幼虫と同じになった。これらの変化には温度と栄養因子の両方が必要であることがわかった。2 成虫の分泌性接着物質ヴェネズエラ糞線虫の成虫はきわめて強力な腸管粘膜侵入能力を持っており、トリの小腸にすら寄生できることを示した。ヴェネズエラ糞線虫の成虫は粘膜寄生にとってきわめて重要であると考えられる接着物質を常に分泌し続けているが、感染幼虫や皮下を進んでいる体内移行期の幼虫では発現していなかった。肺において虫体は接着物質を発現するようになり、これと同時に小腸粘膜に寄生する能力を獲得した。マトリックスメタロプロテアーゼが産生されなくなった後で、幼虫で接着物質がつくり始められると考えられた。3 線虫分泌物の宿主免疫系に対する影響ヴェネズエラ糞線虫は、通常T細胞依存性の粘膜肥満細胞によってマウスの腸管から排除される。しかし好酸球応答が増強したIL-5トランスジェニックマウスでは好酸球が小腸上皮内に多数侵入し、虫体を傷害することを示した。また粘膜肥満細胞の誘導において各種サイトカインとT細胞の役割をより詳細に研究したところ、ヴェネズエラ糞線虫感染においては抗原刺激によるTh2分化の前の内因性のIL-2およびIL-18による肥満細胞増多とTh2細胞による肥満細胞増多が排除に貢献していることが示された。
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