研究課題/領域番号 |
15590401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
安部 茂 帝京大学, 医真菌研究センター, 教授 (10125974)
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研究分担者 |
西山 彌生 帝京大学, 医療技術学部, 助教授 (10082231)
槙村 浩一 帝京大学, 医学部, 助教授 (00266347)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | C.albicans / 唾液 / Lactoferrin / 病理 / 口腔カンジダ症 / 咽頭カンジダ症 / 植物テルペノイド / マウスモデル / 膣カンジダ症 / 十全大浦湯 / 好中球 / ミエロパーオキシダーゼ / 粘膜免疫 / 感染防御 / 口腔衛生 |
研究概要 |
本研究にて、口腔・咽頭・食道および膣の粘膜カンジダ症マウスモデルモデルをつくることに成功した。これら感染モデルはそれぞれの解剖学的部位にC.albicansを接種した後に、マウスに鎮静剤(クロルプロマジン)を与え、安静状態とし、菌の粘膜進入を促進することによって可能となった。それぞれの粘膜カンジダ症モデルは、C.albicansの増殖が認められるだけでなく、白苔あるいは炎症性分泌物を生じ、症状を示すという点で画期的である。病理組織学的解析では、粘膜上皮にCandidaの菌糸型発育の集落が認められ、炎症細胞を伴う上皮の過形成(hyperplasia)が一部感染動物で見られ、臨床的な粘膜感染症に類似していた。 口腔カンジダ症モデルでは、ウシLactoferrin、ヒト唾液および植物テルペノイドが治療効果を示し、組織学的にも患部の粘膜の正常化を早めることを見出した。また、経口投与のLactoferrinの治療効果が、頸部リンパ節細胞の感染に伴う機能回復と関連することを示した。その回復は同リンパ球のCandida抗原刺激IL-2,IFNγ産生能の増加で認められ、Th1型の応答であることが示唆された。またヒト唾液は、Candidaの増殖を阻止しない濃度でCandidaの付着を阻止、解離させるタンパク質の因子を含むこと、その因子の活性は口腔カンジダ症を発症しやすい高齢者の唾液中には、少ないことを明らかにした。 これらの研究結果により口腔カンジダ症における生体防御は局所を中心とした免疫学的機序と、抗菌活性よりむしろCandidaの粘膜への付着を阻止し、口腔から流し去り、胃へ送り込み殺菌するという効率的な防御がおこなわれているものと推定している。一方、膣カンジダ症マウスモデルでは、膣粘膜上皮の肥厚が著しく、その表面にC.albicansが付着・増殖するが、分泌液中のデフェンシン、ラクトフェリン等の抗菌因子がその増殖を抑制するものと推定された。
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