研究課題
基盤研究(C)
1.シミアンウイルス5 (SV5) WR株のF蛋白のLeu-22をProに置換した変異F蛋白(L22P)は、HN蛋白非依存性の細胞膜-細胞膜融合(細胞融合)誘導活性を持つ。本研究ではL22Pの変異解析を行ない、その結果、F2のN末端とfusion peptideとの疎水的相互作用、およびHR1ドメインとCys-richドメイン下流領域との静電的相互作用が細胞融合誘導活性に影響を与えることが示唆された。2.L22Pの解裂配列をセンダイウイルスのF蛋白の配列で置換し、トリプシンで解裂して細胞融合誘導活性を示すようになった変異F蛋白(Se-L22P)を得た。Se-L22PはWR株のF蛋白と同様に細胞膜のラフト領域と非ラフト領域に均等に分布するが、トリプシンで解裂させると非ラフト領域のSe-L22Pが選択的に構造変化を起こし、その後に細胞融合が誘導されることが明らかになった。3.ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスToshiba株を抗HN抗体(M1-1A)存在下で増殖させて得られたescape mutant (F13)は極めて低い細胞傷害性(細胞融合誘導活性)を示す。リバースジェネティクスにより各種変異ウイルスを作製して解析した結果、F13の低い細胞傷害性がHN蛋白の83位と186位の変異に起因することが判明した。一方、F13によるウイルス膜-細胞膜融合はこれらのアミノ酸変異の影響を受けなかったことから、その分子機構は細胞膜-細胞膜融合の分子機構とは異なっていること、また感染細胞内の未知の宿主因子が関与していることが示唆された。また、ヒトパラインフルエンザ3型ウイルスとは異なり、HN蛋白のノイラミニダーゼ活性とウイルス膜-細胞膜融合とに関連が認められなかったことから、2型ウイルスと3型ウイルスの病原性が異なるのは、ノイラミニダーゼの機能的相違が一因であることが示唆された。
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