研究課題/領域番号 |
15590422
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
冨山 宏子 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (50301370)
|
研究分担者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | HIV-1 / 特異的CD8T細胞 / Nef / 増殖抑制能 / 細胞障害活性 / HLA-ClassI分子 / エピトープ |
研究概要 |
HIV-1感染細胞では、Nefタンパクの作用により、HLA-classI分子の発現が低下し、結果、CD8 T細胞のHIV-1感染細胞に対する認識能低下することが報告されている。しかしながら、この現象は少数のHIV-1特異的CD8 T細胞クローンを用いた検討で確認されているに過ぎず、多種のHIV-1特異的CD8 T細胞が誘導されるHIV-1感染症では、HIV-1感染細胞に対し、特に強い認識を示すCD8 T細胞が存在することが予想された。本検討で、新たに8種のHIV-1特異的CD8 T細胞のNef陽性のHIV-1に対する増殖抑制能を確認した結果、4種のHIV-1特異的CD8 T細胞が強い増殖抑制能を示した。これらのCD8 T細胞はNef陽性HIV-1感染CD4 T細胞に対して強い細胞傷害活性を示し、その活性はNefによるHLA-ClassI分子の発現低下には影響されなかった。さらに、詳細な検討結果から、これら4種のCD8 T細胞が認識するエピトープペプチドが感染CD4 T細胞表面で特に効率的に提示されていることが推察された。また、CD8 T細胞のHIV-1に対する増殖抑制能は細胞傷害活性と良く相関していたが、感染CD4 T細胞の刺激によるサイトカイン産生能との関係は認められず、そのHIV-1増殖抑制能に、細胞障害活性が特に重要な要因であることが示された。本検討によって、Nef蛋白による感染細胞のHLA-ClassI分子の発現低下に左右されず、HIV-1に対して強い増殖抑制能を持つHIV-1特異的CD8 T細胞の存在が明らかになった。これらの特異的CD8 T細胞のEx vivoの解析はHIV-1の病態解析及び、ワクチン開発に非常に有効であると考えられる。
|