研究課題
基盤研究(C)
ERKファミリーのMAPキナーゼ(MAPK)は、セリン/スレオニンキナーゼとして様々な基質(転写因子やキナーゼなど)をリン酸化し、その結果Tリンパ球の分化やサイトカイン産生などを制御すると考えられる。ERKにはERK1とERK2の二つが知られ互いに高い相同性を示すが、各々に固有の機能があると考えられる。ERK1のノックアウトマウスは、Tリンパ球分化における正の選択が障害されると報告されており、ERK1に固有の機能があると考えられる。我々は、ERK2の機能を検討する目的で、その遺伝子改変マウスを作成し解析した。ERK2のノックアウトマウスの胎仔は、胎盤異常により胎生早期に致死となった。テトラブロイド(4倍体)キメラによって、正常胎盤を持つERK2ノックアウト胎仔を作成したところ、正常な胎児発育が少なくとも胎生13.5日まで認められた。T細胞に特異的にCre組換酵素を発現するLck-Creトランスジェニックマウスを用いて、T細胞特異的にERK2を欠損したマウスを作成した。このコンディショナルノックアウトマウスは、生存可能であった。その胸腺細胞を解析したところ、CD4、CD8陰性細胞、CD4、CD8共陽性細胞は正常に存在したが、CD4、CD8単独陽性の成熟胸腺T細胞が激減していた。従って、ERK2がT細胞の分化に必要であることが明かになった。
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