研究課題/領域番号 |
15590482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
太田 浩良 信州大学, 医学部, 教授 (50273107)
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研究分担者 |
藤田 清貴 信州大学, 医学部, 助教授 (90313866)
川上 由行 信州大学, 医学部, 教授 (90283275)
佐野 健司 信州大学, 医学部, 講師 (50205994)
勝山 努 信州大学, 医学部, 教授 (90020809)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 胃炎 / マルトリンパ腫 / Helicobacter heilmannii / Helicobacter pylori / MALToma / ヘリコバクター・ハイルマニー / 慢性胃炎 / 胃潰瘍 / 胃MALTリンパ腫 / 動物モデル |
研究概要 |
本研究では、病理組織学的、疫学的、血清学的、および分子生物学的手法を用いて、H.heilmannii感染と胃粘膜病変との関わり検討した。ヒト胃生検組織の検討により、1)本国におけるH.heilmannii罹患率は0.1%で、2)大部分の症例は慢性胃炎を示しているが、3)低悪性度胃原発マルトリンパ腫(MALToma)との関わりも高く、4)H.heilmanniiの除菌はH.heilmannii関連胃MALTomaの治療に有効であることが示された。一方、スナネズミを用いたH.heilmannii感染胃粘膜の長期観察により、1)H.heilmanniiにより、潰瘍の発生はみられないものの、2)慢性胃炎が惹起され、3)H.pylori感染と比べ、胃粘膜には高度の慢性炎症性細胞浸潤が長期に持続して、MALTom様の病変が高率に発生することが確認された。これらの結果は、ヒト胃生検組織による検討に一致するものであった。 スナネズミ感染モデルの検討により、H.heilmannii感染スネネズミ胃粘膜にみられる病態は、H.pylri感染胃粘膜にみられるものとは異なっていることが示され、H.pylri感染スナネズミ胃粘膜では、1)Th1およびTh2サイトカインの変動と2)CagA PAI胃粘膜病変と関連が確認された。また、H.heilmannii感染スナネズミの胃粘膜に、高度の慢性炎症が認められることより、免疫応答が起こっていることが推測され、H.heilmannii感染スナネズミ血清とH.pylori感染スナネズミ血清を用いることにより、H.heilmanniiにより特異性の高い抗原を見出した。今後、この抗原の精製により、ヒトにおけるH.heilmannii感染血清診断法が確立でき、H.heilmannii感染症の実態がより明らかになるものと期待される。
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