研究課題/領域番号 |
15590524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
町田 和彦 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00111104)
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研究分担者 |
鈴木 克彦 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師 (80344597)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フローサイトメトリー / 好中球 / 活性酸素 / 貪食 / 活性酸素産生能 / 貪食能 / フローサイトメトリー法 / 貧食能 / サイトカイン / 蛍測定法 |
研究概要 |
まず実験動物を用いた種々の基礎的研究を進めるために、ラットの末梢血を用いた好中球の貪食能と活性酸素産生能をフローサイトメトリー法で測定する諸条件に関して基礎的検討を行った。貪食粒子としては黄色ブドウ球菌をfluorescein isothiocynate(FITC)で蛍光標識し、FITCの濃度依存性から貪食能測定における至適濃度を決定した。活性酸素産生能は、スーパーオキシドと反応するhydroethidine(HE)の濃度依存性より至適濃度を決定した。さらにFITCとHEを異なる波長で検出することにより、同一細胞レベルで貪食能、活性酸素産生能の同時測定を可能にした。また従来用いてきたNBT還元法も同時に実施し、フローサイトメトリー法と測定結果を比較したところ、貪食能と活性酸素産生能ともに両測定法間で強い正の相関が認められた。 次にヒトの末梢血を用いて検討を進めた。まずヒトの末梢血では、フローサイトメトリー法を用い好中球、単球、リンパ球の分別に関して、測定後の溶血操作の影響が出ることが判明したため、適切に分別するための操作法を検討し改善を行った。ま、た全血からの各種細胞の分離(単核球・好中球)操作によって、さらに分離後の経過時間によって、活性酸素産生能が低下することもわかり、分離後直ちに測定に入る必要性がある等の問題があり、全血で好中球の活性酸素産生能と貪食能との関連性を同時分析できるように測定条件の設定を進めた。活性酸素産生能の検出試薬としては、従来のHEのほかにDihydrorhodamine(DHR)-123,Dichrolo Fhlorescein Diacetate(DCFH-DA)の至適濃度まで含め検討し感度の向上を試みた。DHR-123は感度に優れ、好中球のmyeloperoxidaseの阻害剤であるNaN3を共存させ:ることにより全血のままでも高感度に検出できるようになったが、DCFH-DAは感度不良のため使用を断念した。貧食能の粒子については、黄色ブドウ球菌やZymosanをFluoresceinisothiocyanate(FITC)で標識して用いてきたが、生菌を培養し、蛍光標識する手順が複雑で調整ごとにばらつきが大きく、またZymosanは好中球を凝集させ、好中球のゲートが偏倚してしまうため、フローサイトメトリー法の測定には適さないことが判明した。そこで、蛍光色素を含む径1μmのCarboxylate Microspheresを用いたところ、煩雑な事前調整の必要もなく、良好に貧食能を測定することができた。また、Carboxylate MicrospheresはHE、DHR-123と組み合わせても指標間で干渉が起こらないように設定することが可能となり、貪食能と活性酸素産生能の同時分析も可能となった。 なお、フローサイトメトリー法において検出蛍光波長を変えることにより複数の指標を同時に測定できる原理を応用して、ヒト血漿サンプルを用いて各種サイトカインの同時測定を行った。従来法の酵素免疫測定法(ELISA)に比べ、必要となるサンプル量と測定の手間は少なくて済み、測定レンジも大きいが、測定感度に関してはELISA法の方が優れているヒとが確認された。これらの検討により、フローサイトメトリー法のmulti-channelな解析技術を活用し、従来なされてこなかった分析・評価ができるようになった。
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