研究課題/領域番号 |
15590546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30246045)
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研究分担者 |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 高齢者 / 医療費 / 疾病構造 / 医療経済 / 人口の高齢化 / 疾病分類 / リスク調整 / 医療経済学 / Gini係数 / Lorenz曲線 / 入院医療費 / 医療費増加要因 |
研究概要 |
医療費の増加要因には人口の高齢化や医療技術の高度化などの他、長期入院や薬剤・検査の過剰使用も増加要因として指摘されている。本研究は、1)厚生労働省「社会医療診療行為別調査」を用い、年齢階級に診療行為(検査や投薬等)実施の違いを比較する(マクロ分析)とともに、2)入院医療を受けた患者一人一人の個別の入院診療データを用いて、性・年齢階級・疾患群別に医療資源の消費状況を示し(ミクロ分析)、3)高齢者と非高齢者との間で医療資源消費に違いがあるのかどうか検討することを目的とするものである。 厚生労働省「社会医療診療行為別調査」を用いて、年齢階級・疾患群別に診療行為(検査や投薬等)実施の違いを比較した。その結果、高齢患者ほど検査・薬剤医療費が高額になるという知見は得られなかった。疾患別の比較では、総医療費では40歳以降から増加傾向にあるものや60歳以降から増加しはじめるもの等、疾患によってパターンは異なっていた。 次に患者の個別入院診療データを用いて、性・年齢階級・疾患群・退院時転帰別に、高齢者と非高齢者との間で医療資源消費を比較検討した。その結果、70歳以上の高齢患者よりも、40〜69歳の群で医療費が高くなっており、「高齢患者は非高齢患者よりも検査や投薬が多く医療費が高い」という結果は得られなかった。特に死亡退院患者群では、年齢階級が上がるにつれ医療費が少なくなる傾向にあった。疾患群別の検討では、損傷外因の場合のみ、年齢階級が上がるにつれて医療費総額が有意に高額になっていた。消化器系、尿路生殖器系、呼吸器系の生存退院患者群では、60歳代でピークに達し、その後は有意に減少していた。 以上の結果から、マクロ分析・ミクロ分析ともに、年齢と医療費との間に直線的な相関関係は認められなかった。医療費を年齢階級間で比較する場合には、階級間の疾病構造の違いを考慮する心要がある。
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