研究課題/領域番号 |
15590579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
米満 孝聖 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (10128332)
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研究分担者 |
恒成 茂行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80040202)
是枝 亜子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (80284751)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | クロロキン / 急性薬物中毒死 / 心臓性突然死 / 免疫染色 / 心電図 / 刺激伝導系 / QT延長 / 免疫染角 / Q-T間隔 |
研究概要 |
1 ヒト急性クロロキン中毒事例を用いた研究 タンザニアのムヒンビリ医科大学病理学教室で解剖されたクロロキン(以下CQと略)急性中毒死3症例の組織中CQ濃度をHPLCで定量した。3例の急性中毒事例における血中CQ濃度は、大腿静脈血でそれぞれ8.48、48.36、43.80μg/mlであり致死レベルであった。何れの症例においても右心血が左心血よりも1.4〜3.4倍高い値であり、高値を示した肝臓による影響と考えられた。その他の臓器においては腎臓で高く、脳で低い値であった。心臓の病理組織所見としては一部の症例では局所的な炎症性細胞浸潤や心筋の繊維化が認められたが、何れも生前の病的変化と考えられ、急性CQ中毒に特徴的な所見は認められなかった。 2 急性クロロキン中毒マウスにおけるCQの組織内分布 CQの代謝物であるビスデスエチルCQを免疫原として作成した抗CQ抗体を用いてCQ中毒マウスにおけるCQの組織内局在について検討した。その結果、心臓では心筋細胞の全般とプルキンエ細胞と思われる部位への局在が認められ、CQによる急性中毒死の毒性機序との関連が示唆されたが、今後の更なる検討が必要である。その他の臓器では以下の部位への局在が認められた。脳:脳脈絡叢と軟膜、肺臓:気管粘膜、II型肺胞細胞、肺胞マクロファージ、肝臓:中心静脈周辺細胞、腎臓:髄質、特に集合管。 3 急性クロロキン中毒モルモットにおける心電図変化 モルモットを実験動物としてCQによる心電図変化を検討した。その結果、3、10および20mg/kgのCQを投与した場合のQTcは投与前に比べてそれぞれ72、119および200ミリ秒延長し、CQ投与量依存性のQTc延長を確認した。CQのQTc延長作用の強さはキニジンとほぼ同程度であった。 4 抗CQモノクローナル抗体を用いたCQの簡易半定量システムの構築 免疫組織染色用抗体として調製した抗CQモノクローナル抗体を用いたELISA法によるCQの簡便な半定量法を考案した。各種濃度のCQを添加した試料を判定した結果、ほぼ正確に致死量、中毒量および治療量の判定が可能であった。
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